ヘッジファンドが米長期債ロング積み上げ-時期的にリスク高めでも

  • 大口投機家の米10年債先物のロング積み増し、過去最大の規模
  • 今週のFOMC、長期債入札計画発表が米国債相場に影響も

14兆ドル(約1567兆円)規模の米国債市場で、逃げ足の速いはずの資金の動きが非常に緩慢に終わる可能性が出てきた。

  ヘッジファンドなど大口投機家が昨年7月以来初めて、あらゆる年限で米国債に強気であることを米商品先物取引委員会(CFTC)のデータが示している。特に驚かされるのは10年債先物のネットロング(買い持ち)積み増しで、その規模は入手できる最新データとなる4月25日終了週に前代未聞の25万5942枚に達した。こうしたポジションは相場上昇への過度の賭けを示しており、ひとたび売り局面となれば2008年以来の大打撃を受けることになる。

  ヘッジファンドの心変わりはしかも、リスクが高めの時期に起きた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が3日に利上げするとの予想はほとんどないが、当局者らは年内あと2回の政策金利引き上げ方針を繰り返すとトレーダーらはみており、バランスシート縮小の意向についてさらなるヒントを示す可能性もある。さらに同日、米財務省は四半期の長期債入札計画を公表する予定で、その際に超長期債発行にスポットライトが当たる公算もある。長期債発行見通しで30年債相場は既に急落している。

  ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏は「米金融当局がバランスシートの縮小について語っている時期に、どうして長期債をロングにしているのか理由が分からない」とコメント。期間短めの米国債に強気になるのにも「大きなリスクがある」と続けた。

  ヘッジファンドの動向は通常、逆張り指標で、動きがあった翌月に相場は逆に動くことが多いと、JPモルガン・チェースのジェイ・バリー氏は指摘する。同氏は1月後半に投機家のポジションがショートである状況に疑問を呈した人物。利回りは先月に年初来低水準を付け、これを受けてショートスクイーズが起きた。

  もちろん、ヘッジファンドが突然、債券上昇に全面的に賭けているわけではなく、そのロングポジションの規模は年初のショートほど大きくはない。BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏は米国債市場の現状は「比較的、均衡が取れている」と語る。それでも投機家は「利回りが年初来の低水準となったところで」ロングにポジションを転換したのだから、何かあれば打撃を受けやすいだろうとも同氏は付け加えた。

原題:Hedge Funds Pile in to Long Bets on Bonds Just as Dangers Build(抜粋)

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