ドルは1カ月ぶり112円台回復、米歳出法案合意や米財務長官発言支え

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  • 午後に112円11銭まで上昇、3月31日以来のドル高・円安水準
  • ドル・円は以前の112~115円レンジに戻る可能性も-BBH
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東京外国為替市場では、ドル・円相場が約1カ月ぶりに1ドル=112円台を回復した。米国で議会が包括的歳出法案の暫定合意に達し、政府機関の閉鎖が回避されることや、ムニューシン財務長官発言を受けて米長期金利が上昇したことを背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。

  2日午後3時26分現在のドル・円は前日比0.2%高の1ドル=112円04銭。朝方に付けた111円78銭から徐々に水準を切り上げ、午後に112円11銭と3月31日以来のドル高・円安水準を付けた。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、ドル・円について、「トランプ米大統領にびくびくするフェーズは終わりつつある印象で、日米金利差という基本に戻るだろう」と指摘。「3月末の高値112円20銭を超えてくると、以前のレンジ112~115円に戻るという見方ができる」と述べた。

  一方、しんきんアセットマネジメント投信運用部の加藤純主任ファンドマネジャーは、「地政学的リスクなどでポジション(持ち高)を減らしていた人の買い直しや下を見ていた人たちのショートカバー(売り建ての買い戻し)。112円20銭を抜けるとストップロスで112円50銭まで行くかもしれないが、そこから上抜けるには材料不足」とし、センチメントが変わり115円の流れになったとは言えないとの見方だ。

  ムニューシン米財務長官は1日、ブルームバーグテレビとのインタビューで、超長期債が米政府の資金調達を支援するうえで、「完全に」理にかなうと述べた。半面、計画されているインフラストラクチャー(社会基盤)への支出で財政赤字を膨らませることには消極的な姿勢を示した。

  米上下両院の交渉担当者は30日夜、9月末までの総額1兆1000億ドル(約123兆円)の包括的歳出法案について、暫定的に超党派での合意に達した。1日の米国市場で、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp)上昇して2.32%程度になった。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「歳出法案の合意をはじめ、医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案も下院を通過する見込みが出ており、これまで疑問視されてきた政策実行力への見方が改善する可能性がある」と説明。ムニューシン財務長官の発言により、来週の四半期定例入札に向けて米長期金利が上昇しやすく、週明けはフランス大統領選で順当にマクロン候補が勝利すれば、ドル・円は「114円台で始まってもおかしくない」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)は2、3日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。ブルームバーグ調査によると、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は現行の0.75-1.0%に据え置かれる見通し。米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した予想確率によると、5月の利上げの可能性は2日時点で14%にとどまっている。6月は72%。

  あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課長の渡辺秀生氏は、FOMCに関して「政策変更はないとの見方が大勢。市場では利上げは6月ということをかなり織り込んでいる。今回は、無理して何か文言を変更する必要はなく、FOMCは材料にならないと思う」との見方を示した。

  ドル・円につれてユーロ・円も上昇。同時刻現在、1ユーロ=122円35銭。一時は122円46銭と3月14日以来のユーロ高・円安水準を付けた。ユーロ・ドルは同時刻現在、1ユーロ=1.0917ドル。CIBC証券金融商品部の春木康部長は「4月のリスクオフ(回避)要因が後退し、ショート(売り建て)になりがちだったユーロ・円での買いにつながりやすかった」と分析した。

  豪ドルは対米ドルで上昇。同時刻現在、1豪ドル=0.7531米ドル。一時0.7556ドルと4月25日以来の豪ドル高・米ドル安水準を付けた。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は2日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を1.5%に据え置くことを決定。市場では声明文が前回よりもやや楽観的との指摘が聞かれた。 

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