日本株は続伸、地政学リスク緩和と円安-内外需広く買い、ヤマハ急騰

更新日時
  • トランプ米大統領、北朝鮮の金委員長との会談に前向き発言
  • TOPIX、日経平均とも3月21日以来、約1カ月半ぶり高値

2日の東京株式相場は続伸。地政学リスクの緩和と為替の円安が好感され、輸送用機器や精密機器など輸出株、鉄鋼など素材株、不動産や小売株と内外需業種が幅広く上げた。個別では、好決算が評価されたヤマハや島精機製作所が急騰。

  TOPIXの終値は前日比10.53ポイント(0.7%)高の1550.30、日経平均株価は135円18銭(0.7%)高の1万9445円70銭。両指数とも3月21日以来の高値。

  アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは、「日本株が海外に比べ劣後していたのは、地政学リスクが投資家の頭から離れず、それが円高を引き起こしていたほか、今期業績のガイダンスに対する懸念があった」と指摘。双方のマイナス効果が薄れる中、「日本株は海外へのキャッチアップ局面にある。まだまだ上値余地はある」との見方を示した。

東証株価掲示板

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領は1日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、北朝鮮との軍事衝突を回避するため、自分は金正恩・朝鮮労働党委員長との会談に前向きだと語った。

  きょうの為替市場では、ドル・円が1カ月ぶりとなる1ドル=112円までドル高・円安が進行、前日の日本株終値時点は111円74銭だった。ムニューシン米財務長官はブルームバーグのインタビューで、超長期債は完全に理にかなうだろうと発言。1日の米10年債利回りは2.32%と4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「トランプ米大統領が条件付きながら北朝鮮と交渉の場を設けようとする姿勢は、北朝鮮問題の安定につながる」と評価し、ドルやリスク資産にプラスとみている。また、米国の連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計の発表、フランス大統領選の決戦投票など日本株市場の連休中にあるイベントも、「大きく市場環境が変わりそうな懸念は少ない」と言う。

  きょうの日本株は寄り付きから午前半ばにかけ上げ幅を拡大、その後は上値の重い展開が続いた。大型連休の谷間で市場参加者が少なく、海外経済統計の結果を見極めたいとの姿勢も影響した。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「積極的な買いというよりショートカバー主導の動き。個別決算で動いている銘柄ばかりの中、あとは先物に振られる銘柄が多く、業種別でも傾向に濃淡は出ていない」と話していた。

  個別では、2018年3月期の営業利益計画が市場予想を上回ったヤマハや島精機製作所が急騰し、足元の業績が好調だったGMOペイメントゲートウェイも大幅高。通期営業利益計画を上方修正したポーラ・オルビスホールディングスも高い。半面、17年3月期の営業利益速報値が従来予想を下回ったジャパンディスプレイ、中東プロジェクトの採算悪化などで前期の営業赤字が拡大した日揮は大幅安。

  東証1部33業種は不動産や石油・石炭製品、証券・商品先物取引、金属製品、精密機器、倉庫・運輸、輸送用機器、鉄鋼など30業種が上昇。海運、水産・農林、食料品の3業種は下落。TOPIXの業種別上昇寄与度で上位の小売では、4月の売上高の回復基調が鮮明となったJ.フロントリテイリングなど百貨店銘柄が高い。売買代金上位では、東芝やトヨタ自動車、ローム、三井不動産、オリンパスが買われた半面、米ブリストル・マイヤーズ・スクイブのパイプライン表で、PD-L1ペプチドの記載が削除されたペプチドリームは大幅続落。ヤマトホールディングスやオムロン、キリンホールディングスも安い。

  • 東証1部の売買高は18億6294万株、売買代金は2兆2657億円
  • 値上がり銘柄数は1487、値下がりは436
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