ドル・円上昇、米歳出法案暫定合意を受け1カ月ぶり高値-112円に接近

更新日時
  • 1兆ドルの歳出法案合意で、5日以降の政府機関閉鎖回避へ
  • アジアや欧州の一部が休場の中、午後に一時111円90銭台まで上昇

東京外国為替市場ではドル・円相場が上昇し、約1か月ぶりの高値を付けた。米上下両院が歳出法案で暫定合意し、米政府機関閉鎖が回避される見通しになったことから、ドル買いが強まった。

  ドル・円は午後3時35分現在、前週末比0.3%高の111円87銭。早朝に111円18銭を付けた後、仲値にかけて値を戻し、歳出法案暫定合意が伝わった午前10時半過ぎに111円75銭まで上昇。レーバーデーでアジアや欧州の一部が休場で流動性が限られる中、午後に一段高となり、3月末以来の高値となる111円92銭を付けた。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、ドル・円が底堅く推移していたところだったので、歳出法案暫定合意のニュースは効いたと指摘。「4月後半に2回抜けなかった111円70~80銭を抜ければ112円台が見えてくる」と話していた。
   

  共和党と民主党の関係者によると、米上下両院の交渉担当者は4月30日夜(日本時間5月1日午前)、9月末までの総額1兆1000億ドル(約123兆円)の包括的歳出法案について暫定的に超党派での合意に達した。民主党の優先事項におおむね沿った内容で、トランプ大統領が掲げてきた公約はほとんど盛り込まれていない。

  暫定合意を受け、アジア時間の取引で米10年債利回りは2.28%前後から2.30%前後に上昇。日本株は3営業日ぶりに反発した。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは「トランプ政策への期待が剥げ落ちる中で、何らかの事態が進展することはプラス要因」と指摘。もっとも、米政府機能がなくなるという最悪の事態が回避されるだけで、税制改正や米医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案は合意に至っておらず、ドル・円の「トランプ政策主導による上値追いはもう少し先ではないか」と語った。   

  ペンス米副大統領は30日、NBCのテレビ番組「ミート・ザ・プレス」とのインタビューで、議会が年末までにオバマケア代替法案を承認できるよう望むと述べた。これまでトランプ大統領は早期の議会通過を望んでいた。

  今週は米国で4月の雇用統計など主要な経済指標の発表が相次ぐ。あすから2日間の日程で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が0.75-1%のレンジで据え置かれる見通し。7日にはフランス大統領選の決選投票も行われる。

  ブルームバーグ調査によると、1日発表の4月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数は56.5と3月の57.2から低下すると予想されている。3月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%増(2月0.1%増)、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するPCEコア価格指数は前年比1.6%上昇(同1.8%上昇)が見込まれている。
  
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、今回のFOMCはイエレン議長の会見もなく、「無風通過だろう」と予想。今週のドル・円は、一連の米経済指標を見ながら「6月FOMCでの利上げを織り込む確率で上下する」との見通しを示した。

  ユーロ・円相場はドル・円につられる形で1ユーロ=121円台前半から一時121円90銭まで上昇。一方、ユーロ・ドル相場は早朝に1ユーロ=1.0920ドルを付けた後、じり安となり、午後には1.0885ドルまで値を切り下げた。

  植野氏は、仏大統領選の不透明感が晴れるとの見方からユーロは買い戻されてきたが、「ネガティブキャリー(調達コストが運用益を上回る)のドルショート・ユーロロングを積むのは難しい」と指摘。仏大統領選の決選投票後の週明け8日には「材料出尽くしでユーロは売られるのではないか」と話した。

  

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE