電力10社の販売量:関西電と北海道電が大幅減-全面自由化の初年度

  • 予想見送った関西電を除く9社が今期の電力販売減少を見込む
  • 東電HD社長:中小使用量の顧客にかじ切り顧客流出に歯止めへ

2016年4月に始まった電力小売り全面自由化の初年度は、大手電力10社のうち7社で販売電力量が減少した。東日本大震災以降に域内の原子力発電所の稼働停止などにより2度の電力料金値上げを実施した関西電力北海道電力の落ち込みが大きく、関西電は販売電力量で2位から3位に転落。2年目となる17年度は、予想を見送った関西電を除く9社で販売電力が減少するとの見通しが示された。

  電力10社の決算資料によると、16年度の関西電の販売電力量は前年度比4.7%減、北海道電は同6.2%減となり、10社平均の同1.7%減を大きく下回った。両社とも景気悪化による産業用需要減少に加え、既存顧客が新電力に契約を切り替えたことが影響した。関西電の坂田道哉・経理部長は、高浜原発3、4号機が本格稼働すれば電気料金の値下げを検討したいと述べた。

  経済産業省の調べによると、一般家庭などで大手電力から新電力に切り替えた顧客の割合(1月末時点)は、新電力の主戦場となった東京電力ホールディングスの域内が6.1%の140万6000件と最も多く、関西電域内の4.9%や北海道電域内の4.5%を上回る。東電HDの広瀬直己社長は、電力自由化による収支への影響を最小限に抑えるため電力を多く使用する顧客を死守する戦略をとってきたが、「顧客流出に歯止めをかけるために、中小使用量の顧客をターゲットにかじを切っていかなければいけない」と述べた。

  3大都市圏で最も落ち込みが小さかった中部電力は0.1%減の1218億キロワット時となり、関西電の1215億キロワット時を上回り電力販売量で2位になった。中部電は域内の既存顧客の自社の新プランへの切り替えによる囲い込みが最も進んでいることに加え、首都圏などの域外で10万件の顧客を獲得。林欣吾・東京支社長は今年度は域外の顧客を倍増させたいと述べた。

  四国電力は電力の小売り販売の落ち込みが小さかったことに加え、伊方原発3号機の再稼働によって生まれた余剰電力を他電力へ融通し、16年度に唯一の増収となった。

電力会社前期電力販売実績前年度比今期電力販売予想前年度比前期売上高前年度比前期営業利益前年度比
北海道電力268-6.2%264-1.4%7,028-2.9%274-36.3%
東北電力743-1.1%726-2.3%19,496-7.0%1,304-31.3%
東京電力HD2,415-2.2%2,349-2.7%53,577-11.7%2,587-30.5%
中部電力1,218-0.1%1,193-2.0%26,035-8.8%1,364-52.1%
北陸電力2812.1%280-0.4%5,426-0.4%105-72.4%
関西電力1,215-4.7%--30,113-7.2%2,177-15.2%
中国電力5730.9%562-1.8%12,004-2.5%345-31.0%
四国電力257-0.2%251-2.4%6,8454.7%200-19.0%
九州電力786-0.7%763-2.9%18,275-0.4%1,2262.0%
沖縄電力782.1%75-3.7%1,800-1.2%9126.1%
10社合計7,834-1.7%6,463-180,600-7.1%9,676-30.2%

  ※単位は、電力販売実績と予想が億キロワット時、売上高と営業利益が億円。

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