米議会が9月末までの予算案で合意、「国境の壁」予算は拒否

更新日時
  • 超党派での合意成立によって政府機関閉鎖は回避される
  • ホワイトハウスが求めていた「国境の壁」予算は拒否された

米上下両院の交渉担当者は30日夜(日本時間5月1日午前)、9月末までの総額1兆1000億ドル(約123兆円)の包括的歳出法案について、暫定的に超党派での合意に達した。共和、民主両党の関係者が明らかにした。民主党の優先事項におおむね沿った内容で、トランプ大統領が掲げてきた公約はほとんど盛り込まれていない。

  合意によって現行の暫定予算が失効する5日以降も政府機関閉鎖は回避される見通しとなった。これら予算条項の情報が正式発表前であることを理由に匿名で議会関係者が明らかにした。

  共和党の議会指導者はヘルスケア法案や税制改革に集中することを望んでおり、数百の政策制限を同法案から削除するよう求めた民主党側に譲歩した。その結果、トランプ政権が勝利として掲げられるものはほとんどない。

  ホワイトハウスは「国境の壁」の建設を開始する資金に加え、医療研究などの国内プログラム予算の180億ドル削減を求めていたが、いずれも拒否された。共和党が削除を求めていた非営利団体「米国家族計画連盟(PPFA)」向け補助金の予算は維持された。PPFAは人工妊娠中絶などの医療サービスを手掛ける。

  トランプ大統領は、包括的歳出法案では国防総省予算が150億ドル増額された点を成果として挙げられるが、そのうち25億ドルは過激派組織「イスラム国」(IS)掃討の新計画を政府が提示することが条件となっている。国境警備向けの15億ドルも盛り込まれたが、同予算は「国境の壁」建設や移民税関捜査局の増員には充当できないという。不法移民に寛大な政策を取る「サンクチュアリーシティー(聖域都市)への補助金に新たな制限は課されなかった。

  民主党のシューマー院院内総務は30日夜の声明で、「これは米国民にとって良い合意であり、政府機関閉鎖のリスクをなくすものだ」とした上で、この法案は国民の血税が効果のない「国境の壁」に使われないようにするものであり、共和党が加えた付帯条項を取り除き、中間層が頼る医療研究や教育、インフラのプログラムへの投資を増やすものだと説明した。

  下院の手続きによれば、同法案のテキストが30日深夜までに公表されれば、5月2日にも採決が可能になる。

原題:Congress Reaches Spending Deal That Jettisons Trump Priorities(抜粋)

(民主党上院院内総務の発言などを追加して更新します.)
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