イエレン議長の希望的観測より大きな動揺も-米バランスシート縮小

  • 「どうなるのか全く分からない」とPIMCOのクラリダ氏
  • 縮小の影響を左右する上で一段と大きな発言力持つのは米財務省か

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、金融当局が抱える4兆5000億ドル(約500兆円)のバランスシートについて、米経済へのリスクを抑える「秩序だった予測可能な方法」で縮小したい意向を表明している。しかし、その実現のハードルは高いと考えられる。

  バランスシートの縮小ペースやその経済的影響、最終的な規模はいずれも金融当局が完全には制御できない諸力に左右される。それは、イエレン議長ら当局者の希望的観測よりも大きな動揺に金融市場や経済が見舞われる可能性を意味する。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバル戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏は「どうなるのか全く分からない」と述べ、米金融当局が置かれている立場には「あまり前例がない」と付け加えた。

  当局者は2、3両日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)でバランスシート縮小の開始時期と方法を巡る議論を深める見通しだ。今回のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利誘導目標は据え置きの見通し。前回3月の会合では、0.25ポイント引き上げ0.75-1%のレンジに設定した。

  一部明らかになりつつある当局のバランスシート戦略に対し、金融市場はこれまでのところ落ち着いた反応を示している。このため、当局者はあまり問題を招かずに縮小を進めることができるとの期待を強めている。

  3月のFOMC議事録によれば、大半の参加者は米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の保有縮小のプロセスを年内に開始すると見込んでいることが示された。

  FRBウオッチャーの一部は、金融当局が保有する米国債2兆5000億ドル相当のポートフォリオ縮小の影響を左右する上で、一段と大きな発言力を持つのは米財務省の方だと指摘する。満期を迎えた米国債について、金融当局が再投資せずにそのまま償還させれば、同省はその分の財政資金をどう調達するか決定を迫られるためだ。

  同省がどのように対応するかは、これまでのところ明らかとなっていない。ムニューシン財務長官は、低金利を生かして満期が50年以上の国債を新たに発行する可能性に言及している。

  バンガード・グループで米国債600億ドル余りのポートフォリオのトレーディングを統括するジェンマ・ライトカスパリウス氏は、今年10-12月(第4四半期)に50年債発行と金融当局によるバランスシート縮小開始が時期的に一致すれば道理にかなうかもしれないとコメントした。

原題:Fed’s Cut in Huge Bond Holdings May Be Messier Than Yellen Hopes(抜粋)

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