日本航空は28日、2017年度(2018年3月期)からの新中期経営計画を発表した。東京五輪開催を意識し、首都圏空港の発着枠拡張が見込まれる20年を節目とした4年間の計画。この中計は、フルサービスのキャリアとしての事業に集中し、収益性の向上と事業領域の拡大などを鮮明に打ち出した。破綻後の国土交通省の監視終了で、経営がフリーハンドとなった初めての事業計画となる。

  都内で開催した会見で、植木義晴社長は、前期で終わった5カ年経営計画について「高収益の体質確立と財務基盤を強固なものにするのが最大の目的だった。十分その役目は果たせた」と総括した。そして、新たな中計の骨子である「挑戦と飛躍の実現に向け、新中計へ少しづつかじを取ってゆきたい」とした。その上で、今回の人材育成により注力しつつ、生産性や収益性を高める取り組みを実践したいと強調した。

JALの入社式(羽田)
JALの入社式(羽田)
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

発表資料によると

  • 安全、顧客満足、財務の3本柱を維持
  • 財務目標は、営業利益率10%以上と、前回までの目標項目の自己資本比率から、投資利益率(ROIC)代表数値のひとつとし20年度末までに9%以上とする
  • 国際線では、北米と東南アジア間のネットワーク強化、他社提携強化、外国人旅客の一段の取り込みなど
  • 国内線では、幹線に国内線初の最新鋭機エアバスA350-900型を19年度に投入や訪日需要を取り込んだ国内移動の拡大や地域活性化などを目指す

また、都内での会見に同席した斉藤典和専務と西尾忠男常務は以下のように述べた。

  • 17年度から配当性向30%と中間配当の実施、また、時期は決めていないが自己株式取得など還元策に取り組みたい-斉藤氏
  • 20年度に売上高1兆5000億円程度、営業利益1800億円程度-斉藤氏
  • 設備投資は平均年2200億円程度、通常投資は機材更新など、成長投資はIT系などに充当-西尾氏
  • 非航空事業の売上高を現状の3000億円から4000億円のレベルへ高める-西尾氏
  • 定時制やITシステムなどはサービスとして外部販売などでの活用も視野-西尾氏

  国交省は、JALが政府支援により「航空会社間の競争環境がゆがめられることがあってはならない」(通称8・10ペーパー)として、新規投資や路線開設を事実上、規制。ただ5年経過した3月に石井啓一国交相は監視期間の終了を表明している。JALは4月1日に羽田-ニューヨーク路線を新規に開設している。

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