トランプ米大統領が巨額の減税を通じて景気拡大を加速させれば、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は利上げを進めてブレーキをかけたいと考えるかもしれない。

  米経済は既に最大限の雇用に近づきつつあり、減税実施とそれに伴う財政赤字拡大が見込まれる中では、景気過熱を阻止するため、金融当局は引き締めへの傾斜を強めることになりそうだ。

  年内にあと2回、来年には3回の利上げを予想する米金融当局者はかねて、財政刺激策が講じられれば、経済への上振れリスクとなるとの見方を示している。

  さらに、トランプ大統領が減税案の財源として、税制改革で相殺するのではなく、政権当局者が示唆しているように、政府債務への依存を強めることになれば、こうしたリスクは一段と増す一方だ。

  ムニューシン財務長官とコーン国家経済会議(NEC)委員長が26日に概要を発表した減税案は、政権と米金融当局者との衝突につながる可能性がある。金融当局者は政策目標をほぼ達成し、超低金利解除の初期段階にある。

  ムニューシン長官の説明について、ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は「米史上最大とされる減税には金融政策に与える影響が内在している」と指摘。「減税案が赤字を拡大させるようなら、金融引き締めを弱めるのではなく、強める論拠となるだろう」と語った。

原題:Yellen May See Inflation Risk in Deficit-Busting Trump Tax Cuts(抜粋)

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