東電HD:5年ぶり経常減益、電気料金収入が縮小-燃料価格反映で

  • 原発事故処理費用の資金捻出目標年5000億円を経常利益段階で上回る
  • 柏崎刈羽原発の再稼働は必須-原発事故処理の責任果たすため

東京電力ホールディングスの2017年3月期(前期)の経常利益は5年ぶりに減少に転じた。燃料価格の変動とその影響を電気料金の単価に織り込む時期がずれることで生じるタイムラグ差損があり、収益を圧迫した。しかし、今後30年にわたり福島第一原子力発電所事故に伴う廃炉や賠償費を賄うために必要な1年当たりの経常利益水準は上回った。

  東電HDが28日発表した決算によると、前期の売上高は前年比12%減の5兆3577億円。経常利益は同30%減の2276億円だった。廃炉汚染水対策や賠償費としてすでに計上した計3000億円を足し戻すと、5300億円程度となり、従来想定から22兆円に倍増した原発事故に関わる費用を賄うために必要な年5000億円の水準を上回る。

  東電HDの広瀬直己社長は、15-16年度は柏崎刈羽原発が動いていない中で5000億円の経常利益水準を確保できたものの、「これより先は柏崎刈羽原発の再稼働なしでは何千億円も利益を生むことは難しい」と指摘。具体的な時期への言及は控えたものの、3年ぶりに改定する再建計画には柏崎刈羽原発の再稼働を織り込んでいく考えを示した。

  3月に公表した再建計画「新々総合特別事業計画」の骨子では、1基当たり年500億円の収益改善効果が見込める原発の再稼働を実現するとともに、中部電力と全面統合する燃料・火力発電事業に倣い、将来的に原子力や送配電事業でも他電力との共同事業体の設立による収益性向上を目指している。

  広瀬社長は「間違いなく送配電も原子力も共同事業化することのメリットがある」と述べ、他電力にも理解を求めていく方針を示した。さらに17年度の社債償還額6300億円に備え、社債発行などで万全の資金調達体制を確立する構え。

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