27日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円台前半で推移。米税制改革案発表後に見られたドル売りが一服する中、海外時間に注目の欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会を控えて小幅な値動きとなった。

  ドル・円は午後3時30分現在、前日比0.2%高の111円29銭。午前に111円41銭まで上昇した後、伸び悩んだ。正午すぎには日本銀行が金融政策の現状維持を発表したが、予想通りの結果で反応はほとんどなかった。

  みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは、ECB会合について「9月には量的緩和のテーパリング(量的緩和の縮小)を示唆しないといけないため、そこに向けての地ならしがきょうあるかどうかがポイント」と指摘。米国はすでに引き締め路線にあり、「日本がそもそも話にならないので、ECBが一番動きのある三極の中央銀行として注目される」と語った。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、この日のECB政策委では政策金利が据え置かれ、量的緩和(QE)プログラムを少なくとも年末まで続ける方針も維持される見通し。回答者の大部分は、ドラギ総裁がQEプログラム終了後も相当期間低金利を続けるとのフォワードガイダンスを早ければ6月に修正すると予想した。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「ドラギ総裁がユーロ圏経済が順調に回復している、政治リスクも低下しているなどと発言すれば、出口への期待が高まるだろう」と述べ、「出口に関する議論があればユーロは上昇する可能性がある」とみている。

  一方、上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストは、6月の仏国民議会選挙や秋の独議会選挙、英国の欧州連合(EU)離脱協議の行方など確認すべき事項が残っている中で、今回の会合で出口に向けたヒントは出づらいと予想。「ユーロ・円中心に円買い戻しの展開もあり得る」と言う。

  ユーロ・円は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=121円29銭。仏大統領選や北朝鮮情勢に対する不安が和らぐ中、前日には一時121円98銭と3月17日以来の水準までユーロ高・円安が進んだが、その後は121円台前半を中心に一進一退の展開が続いている。ユーロ・ドルは小動きながら上値が重く、1ユーロ=1.0900ドルを割り込んでいる。

  日銀は27日の金融政策決定会合で、昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定した。長期国債買い入れ(保有残高の年間増加額)のめどである「約80兆円」も維持した。四半期ごとに公表する物価見通しは2017年度を小幅下方修正する一方で、2%物価目標の達成時期は「18年度ごろ」に据え置いた。足元の景気は「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正した。

  ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の尾河真樹部長は、「今回買い入れ額が変わるのではないかとの見方もあったようだが、インフレが上がってきていない状況でそこを動かす意味はあまりない。予想通り、ノーチェンジだった」と語った。

  ホワイトハウスが26日公表した税制改革案の骨子には、法人税率の15%への引き下げや米企業の海外留保利益に対する1回限りの課税が盛り込まれたが、詳細や財源が示されず、同案発表後は米国株が小幅下落、米金利低下に伴いドルが伸び悩んだ。ドル・円は111円78銭と3月末以来の水準までドル高・円安が進んだ後、110円88銭まで下落した。

トランプ政策

  ホワイトハウスは声明で、トランプ大統領はカナダのトルドー首相、メキシコのペニャニエト大統領と協議したうえで、NAFTA(北米自由貿易協定)を現時点で終結させないと発表した。声明を受け、カナダ・ドルは一時1米ドル=1.3530加ドルと0.6%上昇。メキシコペソは一時1.2%上昇した。

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