日立製作所の子会社で半導体製造装置などを手掛ける日立国際電気の株価は27日、反落している。一時前日比6.9%安と3カ月ぶりの日中下落率となった。前日の取引終了後に発表された米ファンドによる株式公開買い付け(TOB)の価格が2503円と、前日の終値を6.4%下回ったことで売りが膨らんだ。

  日立国際株は午前10時40分時点で同6.9%安の2490円で取引されている。東証1部市場で値下がり率6位、売買額では5位となっている。前日はTOB実施の報道を受けて急騰していた。一方、日立株は27日、一時前日比1.8%安の607.4円となった。

  日立とKKRは26日取引終了後に、保有する日立国際株をKKR日本産業パートナーズ(JIP)に実質的に売却すると発表した。ファンド側は8月上旬のTOB開始を予定している。ただ、日立はTOBには参加せず保有株を1株1710.34円で日立国際に売却する形をとる。

  日立の広報リーダーの森田将孝氏はその理由について「自己株式譲渡では税務メリットがあり、TOB価格と比べ額面通りの差異が日立側に生じるわけではない。関係者と協議した結果、ベストな選択と判断」と話した。日立国際の株式は将来は上場を廃止する。

  証券経済研究所シニアアナリストの土信田雅之は電話取材に対し、前日の報道を受けた思惑で買った投資家がポジションを修正しており「当面はTOB価格にさや寄せする動き」と指摘。その上で、TOB実施までやや時間もあることから、今後は売り買いが交錯する局面もあるのではとの見方を示した。

  日立国際IR担当の諸石健二氏は「TOBの完了は12月末から1月末をめど」とし、「KKRとJIPというパートナーを獲得できた。今後はより積極的に海外に出る形も意識し事業に取り組む方針」と話した。ファンドがパートナーであることから「将来的には次のパートナーが現れることも意識しつつ、世界の大手メーカーの一角としてシェア確保にまい進する」とした。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎シニアアナリストは26日付のリポートで「TOBスキームは親会社持ち分の取り扱いなどが複雑かつ、現株価に対してディスカウントであり、さまざまな停止条件が設定されているため、TOBが成功しない可能性も残る」と指摘した。

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