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野村HD:欧州拠点はフランクやミュンヘンが有力-英EU離脱で

更新日時
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

野村ホールディングスが英国の欧州連合(EU)離脱後の域内での本拠として、独フランクフルト、ミュンヘンのほかルクセンブルク、パリなどを候補に検討していることが明らかになった。

  野村HDの北村巧最高財務責任者(CFO)は決算会見後のブルームバーグ・ニュースの取材に対し、現在最終調整中で、5月か6月にも結論を出す方針を示した。また、ドイツが有力な候補先だとの考えを明らかにした。

Nomura Holdings Inc. Reports Third-Quarter Earnings

北村巧CFO

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  トレーディングや投資銀行業務を営む海外拠点では、野村は2016年度、7年間で初めて通期黒字を計上。国内の個人投資家向けのリテールビジネスでの落ち込みを補うなど、欧州を含む海外ビジネスは重要な役割を担いつつある。英国のEU離脱決定を受けて金融業界は対応を迫られており、大和証券グループ本社も現在、フランクフルトやアイルランドのダブリンへの拠点設置を検討している。

  野村HDが27日開示した第4四半期の純利益は613億円と、前年同期の192億円の赤字から改善した。海外での1000人規模のリストラが奏功し、ようやく黒字を継続的に出せるまでに正常化した。ブルームバーグが集計したアナリスト7人の予想平均は660億円だった。

  野村の海外事業の税前損益は第4四半期に167億円の黒字(前年同期は166億円の赤字)となり、通期では881億円の黒字となった。同事業が通期で黒字計上したのは2010年3月期以来。

米国業務強化へ

  北村CFOは27日の会見で、海外業務について「リスクとコストのコントロールを継続し、今後も安定的に利益を出せる収益構造を作っていきたい」と述べた。一方で、クロスボーダーの合併・買収(M&A)では「もう少し取っていきたい。アドバイザーとして認めてもらうよう米国のインベストメント・バンキング部門を強化したい」と語った。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の伴英康アナリストは、野村に求められているのは「モア・ウィズ・レス。より少ない資源を使ってより多くのことをやるという極めて難しいテーマだ」と述べた。また、「米国やアジアでのトレーディング強化、競争力向上が必要で、システム投資による顧客情報の拡充、精緻で高速なマーケット分析でトップラインを伸ばすことが求められる」と指摘した。

  野村は米国事業を再び拡大するため、バンカーなど人材の発掘に着手している。野村証券の森田敏夫社長(56)は4月のブルームバーグとのインタビューで、同社は今後これまでよりも大きな規模でコンスタントにバンカーを採用することで、日本企業による米国での買収案件をより多く手掛けたいとの考えを明らかにした。

  米州での人員数は12月以降3月末までに35人既に増加している。北村CFOは、今後、金融機関、プライベートエクイティ、資源産業のカバレッジを強化していきたいと述べた。

野村の立ち位置

  ブルームバーグ・データによれば、16年度の日本企業関連のM&A助言ランキングで野村は9位だった。日本企業による米国企業の買収など、クロスボーダー案件の数で見劣りした。債券の引き受け業務では4位、エイクイティ関連業務では首位に立った。

  こうした中、野村、大和証券グループ本社、SMBC日興証券の18年4月入社の大卒採用予定人数は合計で1542人と、今年4月入社の1847人から2割程度減少する見通しだ。新入社員の大方はリテール業務に配属される。家計マインドは冷え切った状態が続いていて、ブレグジット(英国のEU離脱)やトランプ米大統領の就任など、個人投資家が世界経済を見通すことは一層難しくなっている。

  モルガン・スタンレーの伴アナリストは、野村は「リテールではこれまでコストベースは落としてこなかった」と同部門での経費節減の必要性について言及。「ロボアドバイザーの導入や支店での対応の簡略化」などが求められていると述べた。

  北村CFOは同社のリテール業務について、「フィンテックなど進捗(しんちょく)がある。こういうものを使いながらコスト抑制に努めていきたい」と語った。

英語記事:Nomura Eyes Munich, Frankfurt as Post-Brexit Options for EU Base

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