日本株は小幅反落、米税制期待しぼむ-減益決算ヤフーやLINE安い

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  • 大ガスなど電気・ガスが業種別下落率1位、日銀は政策を現状維持
  • TOPIXは終盤にプラス場面も、騰落銘柄数は値上がり優勢

27日の東京株式相場は小幅反落。米国のトランプ政権が示した税制改革案は具体性を欠き、政策進展期待が再びしぼんだ。直近の上昇ピッチの速さを懸念する売りも出やすく、大阪ガスなど電気・ガスが業種別下落率トップ、証券や輸送用機器、医薬品株も安い。個別では減益決算のヤフーLINEが大幅安。

  TOPIXの終値は前日比0.74ポイント(0.04%)安の1536.67と6営業日ぶりに下落、日経平均株価は37円56銭(0.2%)安の1万9251円87銭と5日ぶりに下げた。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、米税制改革案は財源が示されず、「議会とトランプ政権とのあつれきがあらためて高まりそうだ」と予測。市場はトランプ政策に期待し過ぎてはいけないと分かっていながらも、「まだ期待は残っているため、もう一段の期待の剥落があってもおかしくない」と言う。

東証内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米ホワイトハウスは26日、連邦所得税率の15%への引き下げ、企業が国外に留保している利益に対する1回限りの課税などを盛り込む税制改革案の概要を公表した。当局者らは米史上最大の減税と呼ぶが、詳細に乏しく、財源に関する回答も示されていない。

  きょうの日本株は、日経平均が寄り付き直後に一時89円安まで下落。高木証券の勇崎聡投資情報部長は、フランス大統領選、朝鮮半島情勢を巡る過度な不安後退で株価は戻り歩調だったが、今回の発表で「一段と買い上がる手掛かりはいったん途絶えた」と指摘した。前日まで4営業日連続で上昇率が1%を超えていたため、目先の損益を確定する売りも出やすかった。

  もっとも、開始時の売りが一巡すると徐々に下げ渋り、午後にはTOPIXが終盤に一時プラス圏に浮上した。発表が進む国内企業決算はおおむね堅調と捉えられているほか、チャート上の好転が投資家心理を支えている。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「5日、25日移動平均線がゴールデンクロスを形成し、チャート面で先行きに明るさがある」と話した。高木証の勇崎氏は、来週の日本の大型連休中に米国で重要経済統計の発表、仏大統領選の決選投票などがあり、積極的な買いは入りにくい半面、「日本発で売り込む材料は見当たらない」としている。

  きょうの為替はおおむね1ドル=111円10ー40銭台で推移、前日の日本株終値時点111円39銭に対し落ち着いた動きだった。日本銀行は27日の金融政策決定会合で、金融調節方針の現状維持を決定。足元の景気判断は「緩やかな拡大に転じつつある」と表現を上方修正したが、市場の反応は限られた。三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、実質国内総生産(GDP)の成長率見通しは変えないと思っていたため、「思ったよりも強い印象」と指摘した半面、政策維持は「市場のコンセンサスで、既に織り込まれていた」とみる。

  東証1部33業種は電気・ガス、証券・商品先物取引、医薬品、輸送用機器、海運、空運、その他金融、倉庫・運輸、建設など20業種が下落。水産・農林や繊維、金属製品、精密機器、化学、パルプ・紙、小売、機械など13業種は上昇。

  売買代金上位では、前期に続き今期も営業減益を見込むヤフー、第1四半期が営業減益だったLINEが急落。17年3月期の営業利益速報値が下振れた三菱重工業、楽天証券の前期営業減益は想定外とモルガン・スタンレーMUFG証券がネガティブ視した楽天も売られた。日立国際電気やアステラス製薬も安い。半面、17年12月期の営業利益計画を上方修正したキヤノンは買われ、ホシザキや富士通ゼネラル、昭和電工、古河電気工業、トクヤマも高い。

  • 東証1部の売買高は19億7020万株、売買代金は2兆4554億円
  • 上昇銘柄数は1219、下落の672を上回った
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