米国防総省は北朝鮮への対応で、空母や原子力潜水艦を派遣し、軍事的なプレゼンスを高めているが、米国の国家安全保障チームの指導者は26日、北朝鮮に核兵器や弾道ミサイル計画を断念させるため、経済制裁や外交努力を強調した。

  ティラーソン国務長官とマティス国防長官、コーツ国家情報長官は同日、共同声明を発表。「北朝鮮の核兵器追求は安全保障上差し迫った脅威であり、外交政策上の最優先課題だ」と指摘。「米国は安定と朝鮮半島の平和的な非核化を求める。われわれはこの目標に向けて引き続き交渉に扉を開いている」と述べた。

  これに先立ち、米太平洋軍司令官のハリー・ハリス海軍大将は同日の下院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮が米国に到達可能な弾道ミサイルの開発に向けて着実に前進していると警告。北朝鮮は弾道ミサイルと核兵器の実験を進めており、その頻度と挑戦的態度は増していると述べた。

  ハリス司令官は「北朝鮮の言動は米国の本土や同盟国である日韓両国を脅かしている」と述べ、米国が即座に「戦える用意を整えねばならない」と訴えた。

  北朝鮮問題はトランプ政権にとって今週の優先事項で、習近平・中国国家主席との今月の首脳会談でも重要議題だった。トランプ大統領はハリス司令官の証言後、ホワイトハウスでの上院議員全員への説明会にも立ち寄った。大統領は中国に対し北朝鮮を抑制するよう求めているものの、中国政府の支援の有無にかかわらず米国が北朝鮮の核兵器プログラムを阻止すると表明している。

  ホワイトハウスでの説明会後にテッド・クルーズ上院議員(共和、テキサス州)は、「軍は明らかに幾つかの不測の事態に備え、幾つかの選択肢を練っている。より最小限に近い軍事行動からかなり重大な軍事行動まであらゆる範囲の選択肢を準備している」と指摘。「政権や議会が希望するのは、軍事行動が必要ないと判明し、経済的・外交的圧力が北朝鮮の態度の変化を引き起こすことだ」と語った。

  ティラーソン国務長官は28日にニューヨークを訪問し、国連安全保障理事会で北朝鮮問題に関する会議の座長を務める。

  ハリス司令官は公聴会で、北朝鮮に対する先制攻撃のシナリオについて公に話すことを控えた一方で、米国の行動に対し、多数の韓国人や日本人、アジア駐留の米兵を犠牲にするような対応に北朝鮮が出るリスクに言及。北朝鮮が核兵器開発の目標を達成すれば「もっと多くの韓国人や日本人、米国人が死ぬことになる」と述べた。その上で、米国の目標は金正恩政権打倒ではないとするトランプ政権の見解を支持し、「われわれは金正恩朝鮮労働党委員長に正気に戻ってほしいのであって、屈服させたいのではない」と言明した。

原題:U.S. Pushes Sanctions, Diplomacy as North Korea Threat Grows (1)(抜粋)

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