日本生命:オープン外債増加、成長分野に4年で1.5兆円-17年度

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日本生命保険は2017年度の資産運用計画で、為替差損の回避措置(ヘッジ)を講じた外国債券の積み増しを見送り、ヘッジしないオープン外債を増やす。海外を中心に成長・新規分野へ4年間で1兆5000億円の投融資を実施する計画も打ち出した。

  秋山直紀財務企画部長らは26日午後の記者説明会で、今年度の増加資金は昨年度の1兆6100億円とほぼ同水準になる見通しだとし、今年度はヘッジ外債の残高を3月末の9兆4300億円から横ばいにとどめると表明。昨年度は1兆9000億円積み増したが、米国の利上げ継続に伴いドル建てのヘッジコストが上昇するとみているためだ。米国では国債より利回り水準が高い社債やモーゲージ債を主な投資対象とし、ヘッジコストが安い欧州の国債にも分散する。

  一方、オープン外債は昨年度の6100億円に続き、今年度も増やす。秋山氏は「為替相場だけでなく海外の金利水準とセットで分析していく」と述べた。米10年物国債利回りは年度内は2-3%、円相場は対ドルで100-120円、ユーロに対しては110-130円と、海外の地政学的リスクや政治情勢によって振れ幅の大きい展開を予想。財務企画部の栗栖利典担当課長は機動的に売買するため、流動性の高い国債を中心に考えていくと説明した。

  日本生命は世界的に金利が低迷する厳しい運用環境下で、成長・新規領域への投融資を15年度から3年で約8000億円実施する中期経営計画を策定。昨年度までに約9000億円と前倒しで達成しており、今年度から20年度までに1兆5000億円という新たな計画を打ち出した。海外でのプロジェクトファイナンスなどのインフラ案件や新興国向け、日本企業の海外進出支援などが主な分野となる。

  日本銀行の金融緩和を背景に低金利が続く国内債券は残高を横ばいとする計画。残存20年以下の国債利回りが全てマイナス圏に沈む場面があった昨年度は9200億円減らしたが、今年度は国債への投資抑制は続けるものの、償還が例年より少ないためだ。秋山氏は「本格的に超長期債に投資するには20年債か30年債で利回りが1%以上」欲しいと述べた。一般貸し付けも減少する見通しだ。

  国内の株式と不動産は横ばい、外国株式等はオルタナティブ(代替資産)を含めて残高をやや増やす。国内債や一般貸し付け、ヘッジ外債からなる円金利資産が全体の約7割、それ以外のオープン外債や内外株式等、不動産は約3割という構成比は変えない。秋山氏は「ここから乖離しないようにやっていく」と話した。

  日銀は27日の金融政策決定会合で、昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みによる金融調節方針の維持を決定。物価見通しは17年度を従来の1.5%上昇から1.4%上昇に下方修正する一方で、「18年度ごろ」としていた2%物価目標の達成時期は据え置いた。足元の景気は「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正した。  

2017年度の運用計画一覧

国内株国内債外国株オープン外債ヘッジ外債
日本生命横ばい横ばいやや増加増加横ばい
第一生命株価次第減少増加為替次第金利次第
明治安田横ばい減少増加円高で積み増し円債より優位で増加
住友生命横ばい横ばい横ばい外債全体で増加外債全体で増加
三井生命横ばい▲数百億円N.A.+千億円以上▲数百億円
大同生命増加横ばい増加外債全体で増加外債全体で増加
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