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円ほぼ全面安、リスク回避の円買い巻き戻し一段と進む

更新日時
  • ドル・円は111円51銭まで上伸、ユーロ・円は3月以来の高値
  • 様子見していた本邦勢は打診的に外貨買いに出動も-東海東京証

26日の東京外国為替市場では円がほぼ全面安。フランス大統領選第1回投票や軍創建記念日の動向が懸念された北朝鮮情勢に対するリスク回避で膨らんだ円の買い持ちを減らす動きが、さらに進んだことが背景。

  円は午後3時38分現在、主要16通貨のうちニュージーランドドルを除く全ての通貨に対して値を下げている。ドル・円は前日比0.4%高の1ドル=111円49銭程度。リスクオンの流れが続いており、一時は111円51銭までドルが買われた。ユーロ・円は1ユーロ=121円98銭と3月17日以来の高値まで上昇した。

ドル・円 日中足チャート

  東海東京証券金融市場部の外貨管理グループの吉田幹彦グループリーダーは、ドル・円について、「警戒されていた北朝鮮リスクが無かったことや、仏大統領選も市場予想通りの展開となったことで、リスク回避の巻き戻しが起こっている。加えて、リスクイベントを前にそれまで期初の外貨買いを控えていた本邦投資家勢もようやく買い始めたのではないか」と指摘。欧州中央銀行(ECB)や仏大統領選の決選投票を控えていることから、ドル・円のさらなる上昇については「ユーロ・円をさらに買い戻す動きが出るかどうかではないか」とみている。

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、ドル・円について、短期的には112円まで上昇する余地があるとしながらも、「相場環境そのものが大きく変わったわけではない。年初来高値からのトレンドラインが位置する113円半ばを超えなければ、トレンドが変わったとは言い難い」と述べた。

  一方で、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「きのう発表された主要生保各社の運用計画を見ると、リスク性資産として外債を増やす可能性があり、ドル・円の底固めの材料になりやすい」と指摘。ドル・円の下値リスクは減っているとみている。

  トランプ米大統領は26日、税制改革案を公表する予定。減税策を巡っては、大統領選公約の実現のために、個人向け減税と法人税率を15%に引き下げることを求める見通しだ。このほか、レパトリ(資金の本国還流)税やパススルー減税も検討されている。減税について市場関係者の期待値は低いものの、ANZの吉利氏は「歳出法案やオバマケア代替法案が通過できれば、税制改革の現実味も増してくる」とみている。

  ユーロは27日の欧州中央銀行(ECB)の理事会を控えて底堅い動き。ロイター通信が25日に報じたところによると、一部のECB当局者は6月に刺激策の縮小について若干のシグナルを送る余地があるとみている。バンク・オブ・アメリカの岩崎氏は「慎重な文言の一部が変更される可能性が見込まれており、そうなればユーロの上げ余地はあるだろう」と指摘している。

  東海東京証の吉田氏は「欧州景気が好調にもかかわらず、政治リスクからユーロに弱気過ぎた反動は根強い」と指摘。「ECBが出口を明確に連想させるような文言にした場合や、仏大統領選でマクロン氏が予想通り勝つだけでも、ユーロの売り持ちを解消する圧力がかかりやすい」と指摘。特にユーロ・円については、「125円まで上値余地が広がるリスクがあり、その場合にはドル・円も112円を超える可能性がある」とみている。

  豪ドルは下落。一時対ドルで0.7494ドルを付けた。第1四半期の豪消費者物価指数が前期比0.5%上昇と市場予想を下回った。オーストラリア準備銀行(RBA)が重視する同トリム平均値は前期比0.5%上昇と市場の予想通りだった。ANZの吉利氏は「RBAとしては低水準でインフレが安定しているということで、金融政策としては動きづらい状況に変わりはない」と指摘。豪ドルの動きについては、「消費者物価の結果を期待して上昇していた面もあるため、結果を受けて売られた」と説明した。

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