聖家族ツアーや美容医療、新しいエジプト旅行とは

カイロ市内のホテル

Photographer: Shawn Baldwin/Bloomberg

エジプトは宗教や医療、高級感を売りにした旅行を打ち出し、インドや東欧など新たな市場を開拓する計画だ。こうした戦略で、同国にとって極めて重要な観光業界をよみがえらせ、2年以内に2011年の革命前の水準に回復させることを目指している。

  エジプトと言えばピラミッド。だが、ラシド観光相はドバイで行われたインタビューで、観光客を増やし滞在期間と支出の拡大を後押しする計画の一環として、より多彩な観光商品を用意するとともに、湾岸アラブ諸国の国民には「電子ビザ」プログラムで渡航を容易にすると表明した。

  観光業はエジプトにとって主要な外貨獲得源だったが、ムバラク大統領の辞任に至った11年の革命以来、低迷が続く。当局は海外からの資金呼び込みに取り組んでいるが、ムバラク後の政治混乱や暴力的な騒乱が妨げとなってきた。

  ラシド観光相は観光目的の入国者が1400万人を超えピークを付けた10年の数字に触れつつ、「最終的な目標は2010年の数字に到達することだ」とし、「向こう1年半から2年で目標にできる限り近づくことができるはずだ」と述べた。

小さな好転

  エジプトでは数年にわたった訪問客の減少傾向から、既に小さな好転が見られている。それでも政府の統計によると、16年の訪問客は540万人にとどまっている。回復の動きを確実にし、持続的なものとするため、紅海のリゾート地で楽しむ海と太陽や有名な遺跡など従来の観光資源とは全く別の旅行を提案することを政府関係者は計画する。

  ラシド観光相は、8つの目的地を巡る「聖家族」ツアーなどがその中にあると明かした。メディカルツーリズムでは、欧米に比べ費用が安い一部の美容医療を利用できるだろうとの見方を示した。

  観光業回復へは険しい道のりをたどってきた。15年には紅海のリゾート、シャルムエルシェイクを離陸したロシア機が墜落、乗員乗客224人全員が死亡。今月は教会で連続爆発が起き、少なくとも45人が死亡、数十人が負傷した。この爆弾テロは過激派組織「イスラム国」のエジプト内の分派が犯行声明を出した。

  エジプトは、休暇先について考えを巡らす人々の間に広がる、安全でない目的地とのイメージ払拭(ふっしょく)に躍起だ。テロは世界的な脅威であり特定の一国だけを狙ってはいないとラシド観光相は強調した。

原題:Egypt Eyes Faith and Luxury in 2-Year Tourism Recovery Plan (1)(抜粋)

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