債券相場は下落。前日の米国市場でトランプ政権の税制改革への期待などから株高・債券安となった流れを引き継ぎ、売りが先行した。その後も円安や日本株高が相場の上値を抑えた。

  26日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.025%と、14日以来の高水準で開始。その後は0.02%に戻した。新発30年物54回債利回りは2bp高い0.795%と13日以来の水準。新発40年物9回債利回りは2bp高い1.005%と、11日以来の1%台で推移した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「リスク回避姿勢の後退と米税制改革の期待もあり、円安・株高の環境で上値は重い。連休を控えて積極的に動く状況でない上、日本銀行の金融政策決定会合の結果を見極める姿勢もあるだろう」と指摘。「日銀が国債買い入れペースのめどの年80兆円増を外すのではないかとの思惑もある」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比8銭安の150円97銭で開始し、いったん150円92銭まで下落。午後は151円00銭まで値を戻し、結局は7銭安の150円98銭で引けた。

  25日の米国市場では10年債利回りが2.33%程度と2週間ぶりの水準に上昇する一方、主要株価指数が過去最高値に接近。ナスダック総合指数は初の6000台で引けた。フランス大統領選挙に伴うリスク回避姿勢の後退や26日に公表予定の米税制改革案への期待が背景。北朝鮮問題への警戒緩和や業績期待で日経平均株価が大幅上昇。ドル・円相場は1ドル=111円台半ばまで円安が進行した。

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  トランプ大統領は米国企業が海外に持つ2兆6000億ドル(約289兆円)超の利益のレパトリ(本国還流)への税率を10%とする案を示す計画だ。大統領が26日公表予定の税制案に詳しいホワイトハウスの当局者が明らかにした。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「世界の金融市場のテーマは地政学リスクから欧州政治、その後は米国の財政政策へと移ってきた印象がある」と指摘。ただ、米税制改革については「具体性・実効性を欠く失望的な内容になるシナリオには身構えておく必要がある」と言う。

日銀の買い入れ目標 

  日銀はこの日、長期・超長期ゾーンの国債買い入れオペを実施した。残存期間「5年超10年以下」が4500億円、「10年超25年以下」は2000億円、「25年超」が1000億円と、それぞれ前回から据え置かれた。応札倍率は25年超で上昇したものの、いずれも2倍台に収まった。

日銀国債買い入れ結果はこちらをご覧下さい。

  日銀は26、27日の日程で金融政策決定会合を開催。2日目となる27日昼ごろには結果を発表し、今回は経済・物価情勢の展望(展望リポート)も公表する。岡三証の鈴木氏は、声明文にある長期国債の買い入れペースについて、「このままだと年60兆円増を維持するのも危ない感じで、80兆円のめどを残し続けるのはきつい感じもする」と指摘。「今後は大幅な買い入れ減額は難しいのではないか」との見方を示した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「目標修正・削除は市場を驚かせないことが最優先。何の前触れもなく会合で決定するよりも、政策委員の発言等で十分地ならしを行ってから決定する」とみている。

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