コンテンツにスキップする

ドルは110円台回復、米税制改革案期待が支え-北朝鮮情勢は重し

更新日時
  • ドルは朝方の109円60銭から110円28銭まで上昇
  • トランプ政策が進展すればドルの上値抑制要因は減る-ドイツ証

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=110円台を回復。トランプ米政権による税制改革案の公表を控えて、政策進展への期待を背景にドル買い・円売りが優勢となった。

  25日午後3時45分現在のドル・円は前日比0.5%高の1ドル=110円27銭前後。朝方はドル売り・円買いが先行し、109円60銭まで下落した。この日は五・十日(ごとおび)に当たり、金融機関からの仲値公表が集中する午前10時前後にかけて持ち直した。午後に入ると日経平均株価の上げ幅が200円を超えたことなどで一段高。110円28銭までドル高・円安が進んだ。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1213.92。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「米国では税制改革案が出てくるうえ、トランプ大統領は法人税率引き下げを求めている。政策が進展すればドルの上値を抑える要因が減る」と述べた。

  トランプ大統領は26日に税制改革案の概要を発表する。政府当局者によると、選挙公約を実現するため、個人向け減税と法人税率を15%に引き下げることを求める。ムニューシン財務長官は24日、トランプ大統領が3%以上の持続可能な経済成長を実現させる決意を固めており、経済成長に伴う歳入増などによって減税による減収分が賄われると記者団に説明した。

  25日の東京株式相場は続伸。日経平均株価は前日比203円45銭(1.1%)高の1万9079円33銭と終値ベースで3月29日以来の高値を付けた。

ドル・円相場の推移

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長はドル・円について、「前日早朝に開けた窓を埋めなかったことから、トランプ政権の税制改革の期待分が下値を支えている可能性はあるだろう」と指摘。もっとも、25日は北朝鮮の軍創設記念日で、警戒感から「109円60銭まで押したため、それなりに疑心暗鬼になっているのかもしれない」と語った。

1492748213_yen

ドルと円

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領は24日、国連安保理理事国大使らとの昼食会合で、北朝鮮リスクは無視されてきたとし、「今こそ問題を解決するべき時だ」と述べた。同大統領は前日、安倍晋三首相および中国の習近平国家主席と北朝鮮問題を巡り電話会談を行った。このような中、北朝鮮は過去最大規模の砲兵部隊の実弾訓練を実施した、と聯合ニュースが伝えた。

  ドイツ証の小川氏は北朝鮮問題について、「朝鮮半島の有事となれば、日本は半分当事者なので重大なリスクとなる」と語り、ここ数日は緊張が高まりそうだとの見方を示した。

  ドルはカナダドルに対しても上昇。一時1ドル=1.3566加ドルと昨年12月28日以来のドル高・加ドル安水準を付けた。米国がカナダ産針葉樹製材への政府補助金を認定し、相殺関税を発表したことが背景。

  前日の米国市場では、フランス大統領選第1回投票結果を受けて、10年債利回りが3ベーシスポイント(bp)上昇して2.27%で引けた。S&P500種株価指数は1.1%上昇の2374.15で終了した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、1ユーロ=1.0867ドル前後とほぼ変わらず。前日には一時1ユーロ=1.0937ドルと昨年11月10日以来のユーロ高・ドル安水準を付けていた。

  ドイツ証の小川氏は、「フランス大統領選リスクが後退し、欧州全体の目線は欧州中央銀行(ECB)に移りつつある。27日のECB理事会でタカ派発言は出ないだろうが、その次の6月8日には何らかのシグナルが出るかもしれないと期待し始めている。ユーロの頭を抑えていた要因がなくなりつつある」と分析した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE