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米大統領の税制改革案、一時的減税に終わる公算-国境調整税含まず

  • ムニューシン財務長官:減税分は経済成長に伴う税収増で賄われる
  • 財政調整措置を利用した法案成立の場合に赤字拡大なら10年で失効も

トランプ米大統領は米国民に「大規模」減税を公約している。公約を実現できる可能性はあるが、減税を恒久化するために議会で必要になる基準を満たせない場合は、一時的措置に終わりそうだ。

  トランプ大統領の税制改革計画に国境調整税(BAT)が含まれない公算が大きいというニュースは、減税分が税収で相殺される中立的な計画であるとの基準を満たさないことを示唆している。ライアン下院議長が提案しているBATは向こう10年で1兆ドル(約110兆円)強の税収をもたらし、個人・法人税率引き下げの影響を穴埋めする内容だからだ。

President Trump Signs Financial Services Executive Order At U.S. Treasury

トランプ米大統領とムニューシン米財務長官(4月21日))

Photographer: Pete Marovich/Bloomberg

  ワシントンの保守派シンクタンク、アメリカン・アクション・フォーラムのダグラス・ホルツイーキン総裁は「BATは大きな数字だ。それなしでどう税収中立を図るのか疑問だ」と述べ、「選挙戦では税収中立に言及しなかったため、気にしていないのかもしれない」と指摘した。

  ムニューシン米財務長官は22日、トランプ政権の目標は3%以上の「持続可能な」経済成長だとあらためて表明し、政権の税制改革案については経済成長とそれに伴う税収増で減収分が賄われるとの見解を示した。同長官は最近まで最高4%の経済成長を予想していた。

  同長官は国際通貨基金(IMF)の会合で、「国内総生産(GDP)が10年間に1ポイント余り違えば、米国は最大2兆ドルの税収を生み出すことができる」と指摘。「われわれが経済成長によって賄われる改革を検討しているのは疑いない」と語った。

  22日の長官発言に先立ち、コーン米国家経済会議(NEC)委員長ら政権当局者は20日の国際金融協会(IIF)フォーラムで、税制改革の策定において税収中立よりも成長や雇用創出を重視していることを示唆していた。

  米行政管理予算局(OMB)のマルバニー局長も21日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで同様の見解を示し、「赤字が議論のけん引役ではない。赤字は確かに議論の一部であるが、われわれは『赤字を中立にさせるような措置をどう行うか』ではなく、『どう経済成長を実現するか』という話から議論を始めている」と説明した。

  しかし、税収中立は議会にとって重要だ。上院(定数100議席)では通常、法案反対派によるフィリバスター(議事進行妨害)を回避するには議員60人以上の賛成が必要となるが、共和党の現有議席は52にとどまる。このため上院共和党は、財政調整措置と呼ばれる手続きを利用して税制法案を単純過半数の賛成で可決させる可能性がある。だが、その措置を利用した場合、赤字を拡大させる法案は成立後10年で必然的に失効することになる。
  

原題:Trump Tax Plan Seen as Temporary Cut Without Border Revenue (2)(抜粋)

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