フランス国民は5月7日に実施される大統領選挙の決選投票で、同国の将来について大きく異なるビジョンを描く候補者2人のいずれかを選ぶことになる。4月23日の第1回投票では、中道・独立系のマクロン前経済相と極右のルペン国民戦線(FN)党首が決戦に進むことが決まった。

  内務省が開票97.4%の段階で発表した得票率はマクロン氏(39)が23.8%、ルペン氏(48)は21.5%となった。23日の緊急世論調査では決戦でマクロン氏がルペン氏を20ポイント以上の差を付けて破る見通しが示された。

  既成勢力の2大政党の候補が決戦に登場しないという、近代フランス史上初の結果となった第1回投票。共和党のフィヨン元首相は早々に敗北宣言を出し、社会党のベノワ・アモン氏は5位に甘んじた。共産党系のジャンリュック・メランション氏の得票率は19.6%と、19.9%とみられる3位のフィヨン元首相に近かった。

  ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は「仏大統領選は既存政党とその指導者らに対する厳しい批判の場となった」と話した。

  マクロン氏はパリで喜ぶ支持者に、「1年でわれわれはフランス政界の風景を一変させた」と語り、「フランスと欧州について楽観と希望の声」を上げる勢力として団結しようと呼び掛けた。一方、ルペン氏はフランス北部のエナンボーモンでFN支持者に対し、「われわれの文明を脅かす野蛮なグローバル化」か、「国内の雇用と購買力を守る国境」を持つフランスのいずれかを選択する「歴史的な機会」が有権者にもたらされていると訴えた。

  ユーロ離脱と移民制限を掲げるルペン氏に対し、ドイツとの協力を強化し欧州統合の新時代を目指すマクロン氏。ルペン氏は金融政策を自国の手に取り戻し紙幣を印刷して福祉支出に充てようとする。マクロン氏は労働法の合理化やトレーニング・教育投資増でフランス経済の成長加速を図る考え。

  政策も人物像も大きく異なるこの2人の候補者が今後2週間、自分こそが次期大統領にふさわしい人物だと国民に納得してもらえるように取り組む。
 

原題:French Establishment in Disarray as Le Pen, Macron in Runoff(抜粋)

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