債券相場は下落。フランス大統領選挙の第1回投票結果を受けて世界的にリスク選好の動きが強まり、外国為替市場で円安が進行し、米長期金利が一段と上昇したことが売り材料となった。日本銀行が残存3年超5年以下の国債買い入れを減額したことも相場の重しとなった。

  24日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前週末比13銭安の150円95銭で取引を開始した。午前の日銀オペ通知後に水準を切り下げ、150円93銭まで下落。午後は151円00銭付近でもみ合いとなり、結局は10銭安の150円98銭で終了した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、日銀が残存3-5年の国債買い入れオペを減額したのは「5年ゾーンの需給が逼迫(ひっぱく)する中で、仏大統領選を巡るテールリスクが後退したタイミングをとらえた」と説明。ただ、「株高、ユーロ高、円安と米金利上昇の割には、日本国債への売り圧力は強くない。ゴールデンウイークを控えた投資家は買いの目線で見ているようだ」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.02%で始まり、その後も同水準で推移した。新発5年物の131回債利回りは1.5bp高いマイナス0.16%と、18日以来の水準まで売られた。新発20年物の160回債利回りは1.5bp高い0.56%、新発30年物の54回債利回りは1.5bp高い0.77%まで上昇した。

仏大統領選

マクロン氏とルペン氏
マクロン氏とルペン氏
Bloomberg

  23日の仏大統領選では中道・独立系候補のマクロン前経済・産業・デジタル相と、極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首が5月7日の決選投票に進出した。この結果、反欧州連合(EU)派同士の決戦にもつれ込む可能性がなくなり、ユーロの先行き不透明感と投資家のリスク回避姿勢が後退した。円は対ユーロで一時4円近く下げ、対ドルでは1ドル=110円台前半に下落した。

  21日の米国債相場は下落。米10年物国債利回りは前日比2bp高い2.25%程度で引けた。24日の時間外取引では約2週間ぶり高水準となる2.32%程度まで上昇した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、リスク選好的な動きについて、「決選投票がルペン氏、メランション氏という反EU候補者同士の対決構図にならずに一安心、選挙直前にパリで銃撃テロが発生したにもかかわらずルペン氏の得票が伸び悩み、マクロン大統領が有力視できる、などと外為市場は考えているかもしれない」と指摘した。

  仏大統領選挙の決選投票を巡り、イプソスが実施した世論調査では、中道・独立系候補のマクロン前経済・産業・デジタル相が極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首に勝利するとの結果が示された。

日銀買いオペ

  日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペでは、残存期間「3年超5年以下」が3200億円と前回から300億円の減額となった。一方、「1年超3年以下」が2800億円、「5年超10年以下」が4500億円、「物価連動債」が250億円と、いずれも据え置きとなった。オペ結果によると、1ー3年の応札倍率が5.39倍と2014年8月以来の高水準となり、売り圧力の強まりが示された。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、残存3-5年の国債買い入れ減額について、「フランス大統領選を受けたリスクオンの中で、金利水準が理由だと説明がつくかは微妙だ。中期ゾーンの需給は良好だが、5年物の131回債は市場でまだ余っている状況だ。今回は3500億円のままでも良かったはず」だと指摘した。1-3年の応札倍率が約3年ぶりの高水準となったことについては、「3-5年ゾーンの減額が原因かは何とも言えない」としている。

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