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みずほ:米債業務強化でヤンキー債案件獲得へ、非金利収益を拡充

更新日時
  • アジアや欧州企業の米国進出ニーズを支援-グループ拠点網が強み
  • 米州DCM取引件数が過去最高に-RBS買収後に執行能力アップ

米国で債券ビジネス(DCM)拡大を図るみずほフィナンシャルグループは、アジアや欧州の発行体企業が米国で資金調達するヤンキー債の引き受け獲得に力を入れている。傘下の商業銀行と証券会社の連携でグローバルな優良企業を中心に取引拡大を進め、手数料など非金利収益の拡充を目指す。

  みずほFGグローバルコーポレート業務部の竹谷学参事役は、「世界最大の米国市場でのプレゼンスを高めたいアジアや欧州企業のニーズをとらえ、資金調達や事業戦略を支援することで取引拡大を狙いたい」と述べた。みずほは2015年に英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の北米資産を買収し、ローン事業だけでなく債券の引き受け業務でも執行能力がアップした。これを生かし米国でビジネス拡充を進めている。

  RBSから債権や融資枠を取得したみずほは、同時に米債券市場担当者を含む約130人を引き継いだことで営業力と案件組成対応力を強化した。ブルームバーグのデータによると、みずほは16年の米投資適格社債の引き受けランキングで発行額414億ドル・10位と邦銀グループでトップ。RBS買収前(14年)の163億ドル・16位から飛躍した。

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  みずほはRBS買収後の成長をさらに拡大させるため、欧州やアジア企業によるヤンキー債発行を支援することで米国でのプレゼンスをさらに高めていく考え。竹谷参事役は、アジアや欧州に展開するグループの拠点網が「みずほの強み」ととらえ、幅広い取引先企業のニーズをいち早くつかむことで案件獲得につなげていくという。同時に、米企業が日本や欧州などで起債するビジネスも強化していく方針だ。

目指す「リードバンク」

  BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、みずほの米州DCMビジネスについて「日本の金融機関が海外でうまくいった一つの成功例だ」とし、ヤンキー債の獲得についても「次の一手として正しい方向」と評価する。今後の課題では「人材の維持・確保と事業拡大に伴う経費のコントロール」を挙げた。

  DCM推進体制は、東京120人のほか海外ではニューヨーク61人、ロンドン34人、香港17人と、RBS買収以降に人員を増加させてきた。現在、世界の優良な約300の非日系企業を対象に取引拡大を狙う戦略を推進中で、従来の銀行貸し出しを契機に証券業務の債券の引き受けなど収益機会を広げている。

  米州でのDCM獲得件数は、RBS買収前の14年度が326件、15年度は379件と続き、16年度は第3四半期(4ー12月)までに334件を獲得。竹谷参事役によれば、前期の獲得件数は過去最高になったもよう。

  国内では、みずほ証券が16年度の社債引き受けランキングでトップだった。ブルームバーグのデータによると、16年度の国内社債発行総額は15年度実績比65%増の11兆5089億円と過去最高を記録。主幹事別のシェアは26%のみずほ証が15年度の4位から一気に順位を上げて、2年ぶりに首位に返り咲いた。   

  みずほは16年4月からスタートさせた中期経営計画(3カ年)で、「グローバルベースでの非金利ビジネスモデルの強化」を事業戦略の柱に掲げている。計画の2年目に入り新たなフェーズへの移行が求められる中、竹谷参事役は証券業務など非金利ビジネスで実績を積み上げることで、取引先の「リードバンク」を目指していく考えを示した。

  みずほFGの24日株価は10時13分現在、前週末比1.3%高の198.6円で取引されている。

(第8段落に国内シェアと最終段落に株価を追加しました.)
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