東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=109円台前半で推移。週末のフランス大統領選第1回投票や北朝鮮情勢への警戒からやや伸び悩む展開となった。

  午後3時39分現在のドル・円は前日比横ばいの109円32銭。朝方に109円42銭まで強含んだ後、仲値が公表される午前10時前後から上値が重くなり、正午過ぎに109円19銭まで値を切り下げた。前日の海外市場では、ムニューシン米財務長官の税制改革発言や日本銀行の黒田東彦総裁の資産購入ペース維持発言を受けて、一時109円49銭と約1週間ぶりの水準までドル高・円安が進んでいた。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、今は大きくポジションを傾ける環境ではないとし、「それは仏大統領選かもしれないし、地政学リスクかもしれないし、米国の財政刺激策に対する懸念かもしれない」と指摘。「トランプ革命がとん挫するかもしれないという漠然とした思いなど、そうした雰囲気がトレーダーにとってみるとやりにくいのではないか」と話した。

  23日に行われる仏大統領選第1回投票については、世論調査でマクロン前経済相がリードしているものの、上位4候補がいずれも5月7日の決選投票に進む可能性がある。4候補のうち極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首と左翼党のメランション氏は欧州連合(EU)の諸制度に敵対的な姿勢を示しており、決選投票の結果はフランスにとどまらず欧州全体に広範な影響を及ぼすことが予想される。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、マクロン氏がトップでルペン氏の得票率が20%台前半なら「世論調査に沿った内容ということで一定の安心感は出やすく、ユーロ買いが進みやすい」と予想。一方、ルペン氏の得票率が30%を超えると不透明感が強まる可能性があり、ルペン氏とメランション氏による決選投票の場合は、「Frexit(フランスのEU離脱)リスクへの警戒からユーロは売られやすい」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、前日比ほぼ横ばいの1ユーロ=1.0720ドル。前日の海外市場では仏大統領選に対する過度の警戒感が和らぎ、一時1.0778ドルと約3週間ぶりの水準までユーロが買われたが、米国時間には1.07ドル台前半へ反落。この日の東京市場では一時1.0707ドルまで値を下げた後、もみ合う展開となった。
 
  25日に軍創建記念日を迎える北朝鮮の動向も引き続き警戒されている。韓国外務省の声明によると、同国と米国、日本の6カ国協議代表は25日に東京で会合を開き、北朝鮮の一段の挑発行為を阻止し、中国の建設的な役割を確保するための方策について話し合う。

  みずほ証券の鈴木健吾チームFXストラテジストは、来週は北朝鮮の祝日以外にも日欧の金融政策決定会合などイベントが満載で、「仏大統領選リスクや北朝鮮リスクから、ドル・円を買い進むより円買いになりやすい」と予想。28日に米国の暫定予算が期限を迎え、米政府機関の一部閉鎖につながる事態となれば、「リスク回避のドル売りとなる可能性」もあると語った。  

  麻生太郎財務相は米国時間20日(日本時間21日午前)、ワシントンで記者団に対し、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で為替の過度な変動は経済に悪影響を与えるなどとした従来のコミットメントを確認できたのは大きな成果だと述べた。日米財務相会合については、円相場についての認識は共有できたと述べ、為替問題は財務相同士で対応することを再確認したと明らかにした。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE