中国が1年8カ月前に事実上の人民元切り下げに踏み切ってから最も落ち着いていた元相場だが、このところの本土株値下がりを受けボラティリティーが高まるかもしれない。

  中国株の下落が一段と進めば、人民元にもその悪影響が波及し、ほぼ3カ月にわたり狭いレンジにとどまっていた元相場がそこから抜け出す公算が大きい。ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)とオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)はこう指摘する。

  それ以外のリスクも多い。中国の資本規制緩和に加え、米利上げや再びドルの強さを招く可能性のある地政学的緊張だ。ブルームバーグのランキングで元相場予測の精度が最も高かったBBVAの夏楽エコノミスト(香港在勤)は、「人民元建てのA株に資金を投じたくない場合、投資家はその資金でドルを買うか、海外資産を購入する手段を見つけようとする」と述べた。

  夏氏はその上で、「人民元の安定は短命に終わるだろう。中国人民銀行(中央銀行)は適切な機会があれば、人民元を安くようとする。米国の追加利上げ見通しでドルが値上がりしそうな5月が次の機会になるかもしれない」と指摘した。

  人民元は2月以降、対ドルで1.1%の取引レンジにとどまっており、ここ1週間でも0.2%を超える動きを見せていない。上海総合指数などが大きく下げている中国本土株とは対照的だ。ANZのアジア調査責任者クーン・ゴー氏(シンガポール在勤)は、中国株の下落が続けば、元も値下がりし、最近の取引レンジから外れると予想。今年末時点で1ドル=7.1元と見込んでいる。20日は6.8840元だった。

原題:Yuan Calm at Risk of Ending as China Share Drop Darkens Mood (1)(抜粋)

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