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米金融当局、弱めの経済データにも動じず-利上げ方針に確信強める

  • 今年3回利上げの予測中央値は基本線として依然有効-カプラン総裁
  • 経済低迷の長期化がない限り、利上げペース加速の方針堅持の方向

1-3月(第1四半期)の米経済指標の発表で弱いデータが続いているものの、米金融当局は年内に利上げをあと2回実施する方向にあり、2%程度の成長率見通しを依然として確信しているようだ。

  当局は予想外の経済的逆風に直面し、想定していた利上げシナリオを取り下げた過去とは姿勢を変化させている。今の方が利上げ先送りのハードルは高い。

  今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つダラス連銀のカプラン総裁は20日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「今年3回の利上げという予測中央値は、基本線として依然有効だとなお考えている。うち1回は既に実施済みだ」と述べ、「経済成長がもう少し緩慢になれば回数を減らし、もう少し強くなれば回数を増やすことは可能だ」と語った。

ブルームバーグTVとのインタビューに応じたダラス連銀のカプラン総裁

Source: Bloomberg

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、2017年の利上げはあと1回だけとの見方が織り込まれている。トランプ米大統領が12日のインタビューで低金利が好ましいと述べた後、年内あと2回以上の利上げの確率は急低下。労働省が14日発表した3月の消費者物価指数(CPI)統計では、食品とエネルギーを除くコアCPIが約7年ぶりの低下となった。地政学的緊張の高まりも追加利上げ観測の支えになっていない。

  追加利上げを巡る投資家の懐疑論には根拠がある。当局は14年12月のFOMCで15年の利上げ回数を4回と予想したが、実際には1回の実施にとどまった。その後も同じ行動パターンを繰り返し、16年の利上げ回数を4回と見込みながら実行したのは1回だけだった。

Investors Mark Down Outlook for Fed Tightening

  ただ今回は、当局は後ずさりしていない。

  ボストン連銀のローゼングレン総裁は19日、「FF金利の引き上げを続けることが適切だ」と述べ、「最近のデータは私の予想よりも少し弱めだと言えるが、経済には現時点で利上げ継続に持ちこたえるだけの十分の力強さがある」との認識を示した。

  こうしたコメントは、当局は経済低迷が長期化しない限り、今年の利上げペース加速の方針からぶれない姿勢を示唆している。この背景には、失業率が既に4.5%に低下しインフレ率も当局の目標の2%付近にあるため、過度の低金利をあまりに長期にわたり続けるのは危険という見方がある。しかも現在の経済見通しの上振れリスクは、下振れリスクに勝っている。

  バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏(ニューヨーク在勤)は「当局に利上げを先送りさせるには、景気がかなり弱くなる必要がある。以前のバイアスは行動見送りだったが、今は行動する方に傾斜している」と指摘した。

原題:Fed Unmoved by Soft Patch Hardens Conviction on Rate-Hike Plan(抜粋)

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