4月4週(24ー28日)の日本株は下値固めの展開が予想される。内外企業決算の本格化から全体としては模様眺めムードが強いものの、行き過ぎた地政学リスクや欧州政治リスク回避の反動が支えとなりそうだ。

  海外に続いて国内でも決算発表が本格化することにより、市場の関心はミクロへ向かうと予想される。米国では25日にAT&Tやキャタピラー、26日にボーイング、27日はアルファベットやインテルなどが予定しているが、序盤戦では決算が市場全体を引き上げるほど楽観視はされていない。国内では25日の日本電産やシマノ、26日はキヤノンや花王、27日はファナックや任天堂、前半戦のピークとなる28日にはソニーやホンダなどが予定される。主要企業に先駆けて20日に決算発表した安川電機は前期実績が市場予想に届かず株価は下落した。市場の業績期待は根強いだけに、開示企業数がまだ限られる中では見極めムードが先行しそう。

  ただ、米国と中国の両国が北朝鮮問題をコントロールしているとの市場の期待に加え、フランス大統領選第1回投票の通過から過度のリスク警戒は和らぎつつある。日本株は円高・地政学リスク警戒で3月半ばから調整し、今月第3週には東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオは1年超ぶり水準まで低下。日経平均はチャート分析で使われるフィボナッチ数(黄金分割比)でトランプラリーの上げ幅の38.2%押しに当たる1万8310円までの調整を達成した以降は下げ渋っており、テクニカル面でも足元の調整が進んだことを示唆する指標が相次いでいる。一本調子の上値追いこそ予想しづらいものの、下値についてはやや切り上げる可能性がある。

  このほか、海外では25日には北朝鮮人民軍創軍85周年、27日は欧州中央銀行(ECB)政策委員会、28日は米政府の暫定予算期限などがある。トランプ米大統領は20日、北朝鮮との緊張の高まりを和らげるため、中国の習近平国家主席が懸命に取り組むと確信していると述べた。フランス大統領選の最終結果前とあってECBの政策判断は現状維持が見込まれるほか、米政府の暫定予算期限も市場で懸念する向きは少ない。国内では26、27両日に日本銀行の金融政策決定会合が開かれるが、現状維持が予想される。第4週は各イベントが大きな波乱要因とはならない見込み。第3週の日経平均株価は週間で1.6%高の1万8620円75銭と6週ぶりに反発。

≪市場関係者の見方≫
BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史日本株式運用部長
  「堅調を予想している。為替に影響した面も含めて地政学リスクによって日本株は世界で最も売られたメジャーマーケットとなったが、25日のイベントもスルーされて懸念は和らぐ方向だろう。ファンダメンタルズ自体は日経平均が1万8000円台前半に下がる悪さではない。米国では決算は心配する材料ではない。日本では前期の着地は良いが、今期は発表時の為替次第で1ドル=110円前提なら2桁増益、105円なら1桁以下の予想となる可能性がある。ただ、為替によってリビジョンインデックスは実際に下向いていたため、決算を受けてここから売るということはない。日本株はことし早々と株価がピークを付けて下落しているため、むしろ予想通りの増益見通しが示されれば安心感が醸成されそうだ」

三井住友アセットマネジメントの金本直樹シニアファンドマネージャー
  「ボックス圏での動きとなりそうだ。株価レンジから判断すると安いほうにあるものの、企業業績のベースとなる景気への見方が米国のほうから慎重なトーンに傾いてきている。米ハードデータは悪くはなっていないが、トランプ政策期待で先走ったソフトデータのモメンタムが落ちてきており、景気は加速していない。注目は決算動向。米企業はアナリスト予想を上回る企業が多いのは変わっていないが、予想を下回った企業は売られ方が激しいなど、全体として市場センチメントは良い状況ではない。ドル・円相場が1ドル=110円を割り込む状況下で国内でも110円前提で強い予想を出されても、下振れリスクがあると市場はみている。今期2桁増益をいったん織り込んだ後だけに、企業ガイダンスを見極める動きが強まろう」

大和住銀投信投資顧問・株式運用部の小出修グループリーダー
  「地政学リスクへの警戒はかなり織り込まれてきた。25日の北朝鮮人民軍創軍記念での北朝鮮の行動に不透明感はあるが、市場は冷静になってきている。日本株は円高警戒でかなり下がっており、割安感が出てきている。世界景気は堅調で、半導体などの需要や設備投資もおう盛で、企業決算は大崩れすることはないだろう。当初は今期2桁経常増益とみていたが、1ドル=108-109円台の為替水準では1桁台後半の増益などへ目線は下がってきている。ただ全体の株価はそれ以上に下がっているので、アップサイドという点で悲観するほどではない」

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