日本株上昇、米政策期待の再燃と円安-輸出や素材、金融広く買われる

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  • ムニューシン米財務長官、税制改正案を近く公表と発言
  • 為替は一時1ドル=109円40銭台、日銀総裁は政策維持の姿勢

21日の東京株式相場は上昇。ムニューシン財務長官の発言で米国の税制改正期待が再燃し、為替が円安方向で推移したことが好感された。輸送用機器や機械など輸出株、ガラスやセメント、鉄鋼など素材株、保険株と幅広く上げ、東証1部33業種中、32業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比15.77ポイント(1.1%)高の1488.58と続伸し、日経平均株価は190円26銭(1%)高の1万8620円75銭と反発。日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。

  大和住銀投信投資顧問・株式運用部の小出修グループリーダーは、「米国の長期金利に下げ一服感があり、安心感が出ている」と指摘。昨年11月にトランプラリーが始まる前は1.8%付近で推移し、そこから2回利上げしている点を考慮すると、「2.3%をさらに下回るというのは行き過ぎ」とした。地政学リスクも「警戒はかなり織り込まれ、市場は冷静になってきている」と言う。

東証

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  ムニューシン米財務長官は20日、レーガン政権以来最大の税制改革の年内完了を目指していると明らかにし、「かなり早期に大規模な税制改革を打ち出せる」と述べた。また、ダラス連銀のカプラン総裁は20日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「ことし3回の利上げという予測中央値は、基本線として依然有効だとなお考えている」と発言、市場が織り込む6月利上げの確率は57%と、前日の47%から上昇した。

  また、日本銀行の黒田東彦総裁は20日のブルームバーグのインタビューで、資産購入やマネタリーベース拡大のペースは当面現状を維持すると話し、極めて緩和的な金融政策を続ける方針を示した。

  米政策期待の再燃や欧州債下落の影響から20日の米長期金利は上昇、日米金融当局者の発言もあり、きょうのドル・円は一時1ドル=109円40銭台と前日の日本株終値時点108円90銭からドル高・円安に振れた。20日の米国株は金融や資本財、素材株中心に上げ、S&P500種株価指数が0.8%高だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、「トランプ政権への期待剥落は米長期金利の低下や円高につながっていたが、ムニューシン氏発言がリスクオンのきっかけになった」とみる。さらに、「米国の企業決算が改善し、日本企業も恩恵を受ける。特に半導体関連は世界的に好決算」との認識も示した。

  23日にはフランス大統領選第1回投票が行われる。エラブが公表した最新の世論調査では、マクロン氏の支持率は24%と変わらず、ルペン氏は21.5%と1月以来の低水準で、フィヨン氏20%、メランション氏19%。ルペン氏は決選投票に進んでも、いずれの相手にも敗れる見通しとなっている。東京海上日動火災保険・資産運用第2部の桑山祐介課長代理は、「2回目の投票をみるまで最終判断できないという結果なら、日本株に積極的な買いは入りにくいが、ルペン氏の2回目での勝算はなさそうだということになれば、堅調になりやすい」と予想した。

  東証1部33業種はガラス・土石製品、電気・ガス、ゴム製品、海運、証券・商品先物取引、鉄鋼、保険、輸送用機器、機械など32業種が上昇。サービス1業種のみ下落。売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ自動車、コマツ、東京エレクトロン、SUMCOが上げ、SMBC日興証券が今期も業績好調を予想した太平洋セメント、同証が投資判断を強気に上げた旭硝子も高い。半面、17年3月期決算の発表を延期する富士フイルムホールディングスは大きく下げ、17年3月期の営業利益が減益だった安川電機のほか、東芝や楽天、富士通も安い。

  • 東証1部の売買高は18億6244万株、売買代金は2億2392億円
  • 上昇銘柄数は1645、下落は288

    外需や金融株が上昇率上位

  

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