フランスの首都パリのシャンゼリゼ通りで20日夜(日本時間21日未明)、男が発砲し、警察官1人が死亡、2人が負傷した。銃撃犯は射殺された。パリの観光名所であるシャンゼリゼ通りは事件後に封鎖された。フランス当局はテロ事件として扱っている。

  過激派組織「イスラム国(IS)」がIS系メディアのアマク通信を通じて犯行声明を出した。同通信によると、発砲した男は「アブ・ユスフ・アルバルジキ」で、ベルギー出身だとした。この情報をフランス当局は確認していない。

  オランド仏大統領は司法相と内務相との会合後、「現時点でわれわれが入手している情報はテロリストとの関連を示唆している」と説明。選挙を控え、厳重な警戒態勢を敷いていると述べた。主要閣僚による会議を21日午前8時(日本時間午後3時)に開く。発言は現地テレビで放映された。

  フランスは23日に大統領選の第1回投票を控えており、選挙は激戦となっている。過去2年に起きた一連のテロ事件で、同国では2015年11月から非常事態宣言が発令されたままとなっている。大統領候補のマリーヌ・ルペン氏とフランソワ・フィヨン氏は21日に計画していた集会を取りやめた。

  パリ検察当局のフランソワ・モラン検事は、テロ捜査を開始したことを明らかにした。事件現場で語ったもので、共犯者がいないか調べているという。

  フランス当局は18日、南部マルセイユで大統領選の期間中に攻撃を計画していた疑いで男2人を逮捕していた。

大統領選に影響も

  世論調査会社オピニオンウェイの政治担当ディレクター、ブリュノ・ジャンバール氏は、今回の事件が第1回投票の結果に影響を与える可能性があると分析。極右政党・国民戦線(FN)党首であるルペン氏が特に注目されると述べた。

  仏内務省のスポークスマン、ピエールアンリ・ブランデ氏が記者団に語ったところによると、20日夜の銃撃犯はシャンゼリゼ通りで警察車両の隣に車を寄せ、降車した後に発砲した。撃たれた時、警察官らは車両内または車の脇に立っていた。男はその後、走って逃走したが射殺された。オランド大統領によると、通行人1人も襲われた。

  モラン検事は捜査が行われていることを理由に容疑者の身元を明らかにしなかった。BFMテレビによると、男は警察に知られていた人物で、AFPによれば警察はパリ郊外の住宅を捜索している。

  シャンゼリゼ通りの大部分と3つの地下鉄駅が閉鎖され、警察はこの地区を避けるよう呼び掛けている。

原題:Paris Shooting Leaves Policeman Dead Three Days Before Election(抜粋)

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