米コネティカット州スタンフォードのワシントン大通り677は、かつて世界最大のトレーディングフロアが置かれ、ウォール街の順風満帆ぶりを示すシンボルだった。それが今では債務とデフォルト(債務不履行)、グローバルファイナンスの富のシフトを象徴するモニュメント(遺跡)と化している。

  この複合オフィスは、スイスのUBSグループの米国でのトレーディング拠点だったが、同行がニューヨーク周辺地区の業務を縮小した何年も後になって、債券投資家は約1億ドル(約109億円)相当の損失を被ることになる。現在の所有者であるプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社AVGパートナーズは、複合オフィスのリースや最終的な売却に至る時間を稼ぐ狙いからデフォルト状態となった不動産ローン債権を購入した。

  UBSと後に合併するスイス銀行が、輝くばかりのトレーディングセンターを最初に設立したのは、1990年代半ばのことだ。次の10年で1400のデスクを備える10万3000平方フィート(約9570平方メートル)の広さ、すなわちフットボール競技場ほぼ2つ分のトレーディングフロアを設置できるスペースに拡張された。

  しかし、ウォール街を崩壊の瀬戸際に追い込み、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスを経営破綻させた2008年の金融危機を経て、大いなる野望はついえ始めた。

  リーマン・ブラザーズはその何年も前の段階で、UBSのビルのローン債権を束ねて証券化し、商業用不動産証券として投資家に販売しており、それらの証券の保有者が損失を被る。債権を管理していたCWキャピタル・アセット・マネジメントは、コメントを控えている。AVGパートナーズに電話で連絡を取ったが、これまでのところ返答はない。

原題:Monument to Wall Street Glory Becomes Just Another Mortgage Loss(抜粋)

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