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引き締め観測後退、総裁任期中の長期金利引き上げ予想半減-日銀調査

  • 金融政策は現状維持予想が大勢、エコノミスト39人を対象に調査
  • 「80兆円」の買い入れ額「めど」の減額や削除予想も半減

日本銀行が目標とする2%に向けた物価上昇の足取りが鈍いことを受け、金融引き締め観測が後退している。ブルームバーグの調査では、黒田東彦総裁の任期中に長期金利の誘導目標を引き上げるとの見方が半減した。来週の金融政策決定会合は、ほぼ全員が現状維持を予想した。

  26、27両日の決定会合についてエコノミスト39人を対象に11-18日に調査した。黒田総裁の任期である2018年4月8日までに長期金利の目標(10年物国債金利がゼロ%程度)を引き上げるとの予想は7人(18%)と、3月の前回調査(34%)から大幅に減少。長期国債買い入れ額の年間約80兆円の「めど」減額ないし公表文からの削除を予想したのは13人(33%)と前回調査(63%)から半分に減った。

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  日銀は同会合後、四半期の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で19年度までの物価見通しを公表する。1月の展望リポートでは17年度の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)見通し(政策委員の中央値)は前年比1.5%上昇だった。複数の関係者によると、日銀は今回の会合で見通しを小幅に下方修正する方向で検討している。

  大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは調査の回答で、日銀の物価見通しは「16、17年度を中心に小幅下方修正となる公算が大きい」と指摘した。ただ「18年度ごろに2%に達するとのシナリオは維持し、新たに加える19年度の物価見通しは2%に程近い数値を示す」と見込む。

下方修正

  東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、日銀は物価見通しを17年度、18年度とも下方修正し、「18年度ごろ」としている2%の達成時期も「19年度以降に後ろ倒し」すると予想している。

  年間約80兆円をめどとしている長期国債買い入れ額については、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストが調査の回答で、今会合での公表文からの削除を予想した。7日付のリポートで、「4月会合で『80兆円増』が削除されても寝耳に水ではない」と指摘した。

  日銀の長期国債買い入れの減額が既に始まっているとの指摘もある。SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは7日付のリポートで、日銀の「4月第1週における買い入れ額をそのまま延長して計算すると、年末時点での長期国債残高増加額は年間で60兆円台半ばにとどまる見通しとなる」と指摘した。

  政府は18日、7月23日に任期が終わる木内登英、佐藤健裕両審議委員の後任として、三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済政策部上席主任研究員の片岡剛士氏と三菱東京UFJ銀行取締役常勤監査等委員の鈴木人司氏を充てる人事案を国会に提示した。片岡氏はリフレ派のエコノミストで、鈴木氏は石田浩二前審議委員の退任後、途絶えていたメガバンクの出身。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは19日付のリポートで、「片岡氏はいわゆるリフレ派であり金融緩和の維持、場合によっては追加緩和を求め、鈴木氏は逆に金融緩和縮小を求める可能性がある」と指摘。「金融緩和賛成派と反対派でバランスを確保し、かつ意見の多様化を期待させる人事」と評価した。

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