輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は3月速報で2カ月連続の黒字となった。輸出は自動車の部分品や科学光学機器など、輸入は原粗油、石炭などが増加した。市場予想は上回った。

キーポイント

  • 貿易収支は前年同月比17.5%減の6147億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は6080億円の黒字)-前月(確報)は8135億円
  • 輸出は同12.0%増の7兆2291億円と4カ月連続で増加-前月は6兆3475億円
  • 輸出数量指数は6.6%増と2カ月連続の増加
  • 輸入は同15.8%増の6兆6144億円と3カ月連続で増加-前月は5兆5339億円

背景

  海外での需要の高まりを背景に輸出が堅調な一方で、シリアや北朝鮮での緊張感の高まりや欧州で相次ぐ選挙などの地政学リスクから円高が進んでいる。年初には1ドル=118円台後半をつけていたドル円相場は、20日午前8時50分現在、108円台の円高水準で推移。加えて利上げによる米国経済の先行きや経済対策に支えられている中国経済の動向も日本の輸出にはマイナスに働く可能性がある。

  日米両国は18日に経済対話の初会合を都内で開催した。麻生太郎副総理兼財務相は終了後の共同記者会見で、「地域の不公平な貿易慣行の是正に向けて日米で協力を進めることで合意した」と発言。ペンス米副大統領は「バランスの取れた2国間貿易協定」に意欲を示し、高い水準の「市場アクセス」を求めていくと述べており、両国間の協議の行方も輸出に影を落とす。

エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは発表後の取材に、グローバルな製造業需要の回復に伴って日本の生産や輸出も上がっており、「全体が良くなっているのは違和感がない」と語った。今後は米国向け輸出の動向に注目しており、トランプ政権との交渉で日本の自動車輸出に焦点が当たるようなら大きな影響を与える可能性はあると話した。
  • SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは発表後の電子メールによるコメントで、海外経済の回復を主因に輸出は2016年後半からの拡大基調を当面維持すると指摘。「内需の弱さの裏による部分も含まれるため、必ずしも前向きな評価はできないが、純輸出が実質GDP成長率を押し上げる構図は当面維持される可能性が高い」との見方を示した。

詳細

  • 輸出額は08年9月以来の高い水準を記録-自動車の部分品が前年同月比21.2%増で寄与
  • 財務省は米国を中心に現地生産が進んでいることが要因と説明
  • アジア向け輸出は同16.3%増の3兆8603億円と単月で過去最高-中国向け液晶デバイスやタイ向け鉄鋼が増加
  • 対中輸出は同16.4%増の1兆2995億円と単月として過去2番目の水準
  • 輸入は原粗油の数量は16.8%減少も、金額ベースで45.7%増加、石炭は数量で1.8%減も金額ベースで75.8%増
  • 16年度の貿易収支は4兆69億円と6年ぶりの黒字


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