20日の東京株式相場は、TOPIXが小幅に反発。米国の長期金利が上昇、為替市場では円高の勢いが一服し、企業業績へのプラス効果を見込む買いが入った。銀行株が上げ、輸送用機器やゴム製品、電機など輸出株も高い。輸出では前期利益が上振れたNOK、アナリストの強気判断でアドバンテストが急伸。

  一方、国際原油市況の大幅続落を材料に石油や鉱業、海運株が安く、電力や食料品、医薬品株など内需セクターの一部も下落、株価指数の上値抑制要因となった。

  TOPIXの終値は前日比1.39ポイント(0.1%)高の1472.81と反発、日経平均株価は1円71銭(0.01%)安の1万8430円49銭と小幅ながら4営業日ぶりに下げた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「為替相場が落ち着きを取り戻し、日本株も大きな材料がない中、下げ過ぎた部分のポジション調整が起きている」と指摘。ただし、グローバル投資家は「北朝鮮を巡る地政学リスクを気にしている。週末にフランス大統領選も控え、様子見姿勢は変わっていない」ともみていた。

東証外観
東証外観
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  19日の米国債は供給要因で下げたドイツ国債に連れ安する格好で下落、米10年債利回りは2.21%と5bpベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く上昇し、昨年11月以来の低水準から反発した。

  きょうのドル・円は、前日の海外市場でドルが主要通貨に対し上昇した流れを受け、一時1ドル=109円台と前日の日本株終了時108円68銭から円高の勢いが一服した。米連邦準備制度理事会(FRB)が19日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済は過去数週間にわたり全国的に引き続き緩慢ないし緩やかなペースで拡大している。

  また、きょうの安川電機から国内主要企業の決算発表も始まる。大和証券投資戦略部の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、「決算発表前のポジション整理が終了し、実際の発表を見ながら一度リバウンドする」と予測。チャート分析上、決算発表前は買いが見送られ、「発表の時期に底が固まってくるということがよくある」と指摘した。

  ただし、日経平均は心理的節目となる1万8500円付近では上値が重く、日経平均は大引けにかけマイナス転換。北朝鮮情勢への警戒に加え、23日にフランス大統領選を控えている事情も引き続き足かせになっている。Ifopが19日に公表した世論調査結果では、第1回投票の支持率はマクロン前経済・産業・デジタル相が23.5%、極右政党・国民戦線のルペン党首が22.5%といずれも変わらず。マネックス証券の広木隆チーフ・マーケットストラテジストは、「地政学リスクはまだ何も解決しておらず、市場は楽観的に動き過ぎている。フランス大統領選、米暫定予算の発表もリスク要因で、日本株はむしろ強過ぎる印象だ」と言う。

  東証1部33業種は銀行、ゴム製品、輸送用機器、保険、非鉄金属、証券・商品先物取引、繊維、電機など14業種が上昇。石油・石炭製品や電気・ガス、鉱業、食料品、海運、医薬品、サービス、精密機器など19業種は下落。石油や鉱業は、予想に反したガソリン在庫の増加を材料に前日のニューヨーク原油先物が3.8%安と大幅続落したことが嫌気された。

  売買代金上位では、JPモルガン証券が強気で調査を開始したアドバンテスト、前期営業利益が従来計画比3割上振れたNOKが急伸。1ー3月期営業利益が前年同期比ほぼ2倍になったもようと、20日付の日本経済新聞で報じられたキヤノンも上げた。半面、数千億円規模の減損処理を検討と一部で報じられた日本郵政は下げ、任天堂やスタートトゥデイ、JXTGホールディングス、アサヒグループホールディングス、関西電力も安い。

  • 東証1部の売買高は18億4106万株、売買代金は2兆1592億円
  • 上昇銘柄数は1091、下落は792
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