コンテンツにスキップする

トランプ米大統領、対北朝鮮軍事行動を模索-どの選択肢も恐ろしい

トランプ米大統領は就任の3週間前に、北朝鮮が米国に届く核弾頭を開発する恐れについて検討した。「そんなことは起こらせない」とツイッターで誓った。

  米国は今、それを防ぐための米軍の攻撃について計画を練っているが、選択肢は恐ろしいものばかりだ。

  アナリストらは北朝鮮が現時点で10-25発の核兵器を保有しているとみている。発射装置や軍用機、部隊、火器を全国各地に分散させたり洞窟に隠したりしつつ、韓国との境界付近には密集させている。さらに、米国は北朝鮮が世界最大級の化学兵器を保有、生物兵器の研究も進めているほかサイバー攻撃能力も持ち併せていると想定する。

  1000万人の住民を抱える韓国の首都ソウルは北朝鮮との境界からわずか56キロしか離れておらず、十分に射程内だ。このため北朝鮮は長く、攻撃を受ければ全面戦争になるとのどう喝に頼って存続することができた。

  ホワイトハウスで大量破壊兵器やテロリズムに関する調整役を務めた経験を持つゲーリー・セーモア氏は「北朝鮮が攻撃準備をしていると判断される危機的状況以外では、北朝鮮の核およびミサイル開発計画に対する先制攻撃は実用的な選択肢ではない」とし、「これが常に、米国と同盟国にとっての問題であり続けている」と話した。

  トランプ大統領が北朝鮮に対する強硬姿勢を打ち出してから、国防総省は空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島周辺に向かわせた。同艦は来週到着する見込み。トランプ大統領は、中国が北朝鮮を抑えられないならば米国と同盟国が抑えると言明した。

USS Carl Vinson

The aircraft carrier USS Carl Vinson.

Photographer: Sean M. Castellano/U.S. Navy via Getty Images

  米国防総省が活用できる手段の一つは、北朝鮮の核施設がある寧辺を標的に潜水艦またはステルス機から精密誘導爆弾を発射することだ。もう一つの選択肢は豊渓里の核実験場の攻撃。ノースロップ・グラマン製のB-2爆撃機がバンカーバスター爆弾を落とすことができる。あるいは、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの試射を準備していることが分かれば発射場所を攻撃するかミサイルを打ち落とすこともできる。

1492043433_North-Korea-665343458

A satellite image of the Punggye-ri nuclear test site on April 2.

Photographer: DigitalGlobe/38 North via Getty Images

  そのような攻撃に対して北朝鮮は砲弾と短距離ミサイルの集中砲火で反撃し、ソウルはその犠牲になる。北朝鮮の報復による被害の大部分を受けるのは韓国なので、攻撃の決定は米大統領だけで下せるものではない。「戦争をするかしないか」という重大な決定に、韓国の軍と政府の最上層部は発言権を持つと、米退役陸軍大佐のビル・マキニー氏は述べた。

NKOREA-POLITICS-HOUSING

Kim Jong-un

Photographer: Ed Jones/AFP via Getty Images


  米国の独断での軍事行動は日本との同盟関係を深く傷つける恐れがあるほか、中国との衝突に発展するリスクもある。しかし北朝鮮攻撃の最大の障害は金正恩政権の反応が読みにくいことだ。米国側の意図が警告を発するだけで戦争を引き起こすつもりがなかったとしても、なんらかの行動を取った場合の北朝鮮側の対応は予測がつかない。

原題:Trump Mulls Military Options for North Korea. They’re All Grim.(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE