債券相場は反発。長期金利は昨年11月以来となるゼロ%まで低下した。前日の米国市場で10年国債利回りが年初来最低を更新した流れを受けて買いが先行した。その後は高値警戒感から長期金利は下げ渋り、20年債入札を翌日に控えた超長期債相場も伸び悩んだ。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低いゼロ%と、昨年11月16日以来の水準で開始した。その後は0.005%へ戻した。午前の日銀オペ通知後も同水準で推移した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「米長期金利が昨年11月以来の低水準となり、リスクセンチメントで欧米株も売られ、リフレトレードの巻き戻しが続いており、10年金利のゼロ%に驚きはない」と指摘する一方、「ゼロ%は一つの大きな壁だと思うので、マイナス圏に下がっていくか分からない」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比15銭高の151円18銭で取引を始め、午前に151円20銭と17日に付けた5カ月ぶりの高値に接近した。午後は上値がやや重くなり、結局は15銭高の151円18銭で取引を終えた。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは10年債利回りについて、「国内勢が積極的にマイナスを買うとも思えず、ゼロ%を割れるとしても先物に引っ張られるか、超長期からつぶされるかだ。超長期にリアルマネーが入っていない以上は長続きもしない」との見方し、「20年債入札を控えているので、今日は先物や10年債も強くなりにくい」と指摘した。

  超長期ゾーンでは、新発20年物160回債利回りが2bp低下の0.55%で取引を始め、その後は0.555%に戻した。新発30年物54回債利回りも2bp低い0.745%を付けた後、0.76%まで低下幅を縮小。新発40年物の9回債利回りは2.5bp低い0.945%から0.965%まで戻した。

  財務省は20日、20年債入札を実施する。160回債のリオープン発行となり、表面利率は0.7%に据え置かれる見込み。発行額は1兆円程度となる。

米長期金利が2.2%割れ 

メイ英首相
メイ英首相
Bloomberg

  18日の米国債市場では10年債利回りが前日比8bp低い2.17%程度と、昨年11月以来の低水準になった。米国の予想を下回る経済指標や税制改革に対する期待の後退、地政学的リスク、欧州政治の不透明感が背景。メイ英首相が同日、欧州連合(EU)離脱交渉を巡る自身の姿勢について国民の信を問う解散総選挙を表明し、欧米株式相場は下落した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「円債は買い材料がたくさんあり金利低下の方向。長期債の買い入れオペ減額がなく、10年金利のコントロールの幅がマイナス0.1%からプラス0.1%であることを再確認し、サポート材料が増えた」と言う。

  日銀はこの日、長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年超3年以下」が2800億円、「3年超5年以下」は3500億円と前回から据え置かれたほか、長期金利の低下で減額観測が出ていた「5年超10年以下」も4500億円と変わらずとなった。

日銀国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  野村証の中島氏は、「日銀は10年金利のゼロ%は気にしないということ。マイナス0.1%まで下がらないと動かないのではないか」と指摘する一方、「金利低下が進んだとしても、月末に発表される5月の買い入れ計画でひっくり返されるリスクもある」と話した。

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