19日の東京株式相場は、日経平均株価が小幅に3日続伸。為替市場で早朝にかけての円高の勢いが一服し、テクニカル指標からみた目先売られ過ぎの状況も相場全体を下支えした。電機や情報・通信株が高く、パイプラインの臨床試験好結果を受けた協和発酵キリンなど医薬品株も堅調。

  半面、海外原油価格の続落で海運や石油、商社、非鉄金属株など資源セクターは軟調、前期利益が下振れたヤマトホールディングスなど陸運株も安く、TOPIXはマイナスで終えた。

  日経平均株価の終値は前日比13円61銭(0.1%)高の1万8432円20銭。TOPIXは0.11ポイント(0.01%)安の1471.42と3日ぶりの小反落。

  レオス・キャピタルワークスの渡邉庄太ファンドマネジャーは、「日本株は3月中旬から日経平均で1000円ほどの値幅調整があり、売られ過ぎ感がある。リスクを取る気分ではないが、持ち高を整理する感じでもない」と指摘。北朝鮮やフランス大統領選など不透明要因はあるが、米国の金利動向も「弱気になる必要はない。長い目でみれば、日米金利差で円安方向」とも話した。

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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうはTOPIX、日経平均とも安く始まったものの、プラス圏に転換、その後はもみ合い色の濃い展開となった。ドル・円は早朝に1ドル=108円30銭台と、前日の日本株終了時109円9銭からドル安・円高方向に振れた後、おおむね同40-70銭台で推移と円高の勢いは限られた。

  ブルームバーグ・データによると、TOPIXの2017年予想PERは13倍台と米S&P500種株価指数の18倍台、ストックス欧州600指数は15倍台に比べ割安水準に位置。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオも71%と、依然売られ過ぎ圏のままだ。きょうはTOPIXの時価総額・流動性別指数でみると、最上位のコア30が下落したのに対し、ミッド400、スモールは上昇。新興市場では、マザーズ指数も高い。レオスの渡邉氏は、「個人投資家の買い意欲は極端に細ってはいない」とみていた。

  20日の安川電機から国内主要企業の決算発表も始まる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、17年3月期の経常利益は小幅な減益かほぼ横ばいが見込まれる半面、18年3月期は全産業(金融除く)で経常利益が13.6%増と2桁増を予想。岩井コスモ証券・投資調査部の堀内敏一課長は、「今期の期待は低下気味だが、足元では上振れ期待があり、支えになっている」と言う。

  ただ、地政学リスクや欧州政治リスクなどへの警戒感も根強く、株価指数の上値は重かった。英ガーディアン紙は、米国は北朝鮮の発射実験ミサイルの迎撃を検討していると報道。英国のメイ首相は18日、議会解散と6月8日の総選挙実施を目指すと表明した。東海東京調査センターの中井裕幸専務は、「英解散総選挙をきっかけにEU離脱問題が焦点に再浮上し、フランス大統領選にもより慎重姿勢になる」と警戒姿勢を崩していない。

  3月の住宅着工件数が弱い内容だったことも影響し、18日の米10年債利回りは2.17%と前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。国内の長期金利も昨年11月以来、ゼロ%を付け、市場ではリスク回避の動きが根強くある。

  東証1部33業種は水産・農林、電機、サービス、情報・通信、その他製品、化学、パルプ・紙、医薬品など17業種が上昇。海運や陸運、空運、石油・石炭製品、倉庫・運輸、不動産、非鉄金属、保険、輸送用機器など16業種は下落。

  売買代金上位では、中国生産拠点で放電加工機を増産と19日付の日本経済新聞で報じられた三菱電機が高い。ブロスマブ(KRN23)の第3相臨床試験で、主要評価項目を達成した協和発酵キリン、JPモルガン証券が投資判断を強気に上げたサッポロホールディングスは大幅高。半面、未払い残業代の支払いなどで17年3月期の営業利益速報値が計画を下振れたヤマトホールディングスは下げ、三井物産やトヨタ自動車、JXTGホールディングス、JR西日本も安い。

  • 東証1部の売買高は19億5291万株、売買代金は2兆3172億円と3営業日ぶりに2兆円の大台回復
  • 上昇銘柄数は1043、下落は820

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