スマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」で有名なガンホー・オンライン・エンターテイメントの創業者、孫泰蔵氏がシンガポールに移住した。ソフトバンクグループ創業者の孫正義氏の弟でもある同氏は17日、日本の規制と教育システムへの不満が背景にあることを明かした。東南アジアに5年以内に1億ドル(約109億円)投資の予定という。

孫泰蔵氏
孫泰蔵氏
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  孫氏は「日本政府には非常に強く働き掛けた。『創造的なアイデアをもたらすため実験・検証できるサンドボックスを規制の場に設けてはどうか』と提案したが、日本は大き過ぎるし非常に鈍くて行動に結びつかない。それがここシンガポールでは、政府や規制当局でさえ、イノベーションを尊ぶマインドがある」とDBSグループ・ホールディングスがアレンジしたイベントで発言した。

  シンガポールはインターネット利用率やオンラインのデータ処理依存度が高く、リー・シェンロン首相が2014年に着手した「スマート国家」イニシアチブを後押ししてきた。この構想の下、政府や政府機関、企業は自動運転バスや交通管理、料金自動徴収の公共交通機関など、技術の活用によって社会のあり方を変えられないか探っている。

  同国はまた、犯罪が少なく、所得税率が低い上にキャピタルゲイン税がないため、フェイスブックの共同創業者エドゥアルド・サベリン氏を含め、富裕層を引き寄せている。

  起業支援などを手掛けるミスルトウの代表も務める孫氏はシンガポールのセントーサ島に移住後、3カ月で永住権取得の見通しという。

  3歳の息子がいる同氏の移住の一因には、日本の教育システムへの信頼喪失がある。戦後の大企業育成型のアプローチから抜け出せていないとして、起業家を育てるには「最悪」だと語った。孫氏は最近、東京近郊に子供の学びの場を開設したが、シンガポールにも学校を開く方針だ。

原題:Billionaire Taizo Son Ditches Japan to Start Afresh in Singapore(抜粋)

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