18日の東京株式相場は続伸。米国の財務長官発言を材料に為替がドル高・円安方向に振れ、企業業績への過度な懸念が後退した。金融セクター中心に前日の米国株が反発した中、世界的にみた日本の出遅れ感も投資家の間で意識され、銀行やその他金融株、電機など輸出株の一角が高い。

  TOPIXの終値は前日比5.84ポイント(0.4%)高の1471.53、日経平均株価は63円33銭(0.4%)高の1万8418円59銭。

  ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長は、ムニューシン米財務長官の強いドル容認発言は「今後過度に円高方向に推移するリスクは少ないと暗に示している」と指摘。日本株は年初来、地政学リスクへの警戒からグローバルでみても大きく下げ、「割安感が出ている銘柄もあり、修正が入っている」との見方を示した。

東証アローズ
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ムニューシン米財務長官は英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、米国は為替市場に介入しないと説明し、「長期的に見て強いドルは良いことだ」と発言。年内の税制改革実施をなお予想している、などとも述べた。先週にトランプ米大統領がウォールストリート・ジャーナルとのインタビューでドルに関し発言した内容については、「トランプ大統領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行った」と指摘した。

  財務長官発言を受け、17日の米10年債利回りは前営業日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.25%。同日の海外為替市場でドルが買われた流れが継続し、きょうのドル・円はおおむね1ドル=108円90銭ー109円20銭台で推移、前日の日本株終了時点の108円35銭からドル高・円安水準に振れた。

  イースターの連休明けとなった17日の米国株は、S&P500種株価指数が0.9%高と4営業日ぶりに反発。主要11セクターが全て上げ、金融や不動産の上げが目立った。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「地政学リスクで抑えられていた米国株が上昇し、日本株にも安心感があった」と言う。

  ただ、日経平均は朝方に192円高まで買われたが、その後は伸び悩み。ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、フランス大統領選を23日に控え、「あえてこの局面で買う理由に欠ける。売る材料には事欠かず、腰が入った買いは入らない」と指摘。日本株投資家は「外部要因に振らされてばかりで、弱気になり過ぎている」とファイブスターの大木氏は話している。

  仏大統領選第1回投票の支持率は、独立系のマクロン前経済・産業・デジタル相が22%と変わらず、極右政党・国民戦線のルペン党首が22%と1ポイント低下。また、きょうは日米経済対話の初会合が開かれ、麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領が終了後に会見する。大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、日米経済対話について「貿易摩擦や為替よりも米国の雇用を増やし、ウインウインの関係構築が目的と理解している。それほど厳しい話も出てこないのではないか」とみていた。

  東証1部33業種はその他金融、銀行、パルプ・紙、倉庫・運輸、金属製品、ガラス・土石製品、証券・商品先物取引など28業種が上昇。水産・農林、食料品、石油・石炭製品、非鉄金属、鉄鋼の5業種は下落。水産では、18日付の日本経済新聞報道をきっかけに今期の営業減益観測が広がったマルハニチロが売り込まれた。

  売買代金上位では、野村証券が株価は依然割安と投資判断「買い」を継続したソフトバンクグループが上げ、オリックスやSUBARU、マツダ、昭和電工も高い。コンビニエンスストア大手がセルフレジを導入と18日付日経新聞が報じ、アルテックやサトーホールディングスなどICタグ関連銘柄も買われた。半面、ペプチドリームやアサヒグループホールディングス、ローツェ、イオンフィナンシャルサービスは安い。

  • 東証1部の売買高は15億7522万株、売買代金は1兆7745億円
  • 上昇銘柄数は1494、下落は415 
    日本株の出遅れ感強い
    日本株の出遅れ感強い
(9段落の業種別動向を訂正します.)
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