狭いレンジ取引から抜け出た米国債市場、これからが正念場

  • JPモルガン:相場上昇には利回りが2.15%を割り込む必要あり
  • BMOキャピタル:最も抵抗の少ない道筋はもちあい

世界最大の債券市場である米国債市場は今年の狭いレンジ取引をようやく抜け出したようだが、トレーダーに今後の行程表をはっきりと示すには至っていない。

  トレーダーは世界的なリフレトレードの苦境について洞察を深めるよりも、北朝鮮やロシアからの地政学リスクに反応している。また、トランプ米大統領はドル安を促す口先介入を行い、政権の座に就いた今になって低金利政策が好きだと言い出している。

  これらの要素は今後数週間は消えそうにない。米10年債利回りは2.24%と、今年最低付近に低下し、ドルは対円で昨年11月以来の安値圏にある。今週は経済指標面では比較的静かな展開になるとみられ、トレーダーやストラテジストは住宅着工のような統計を気にしすぎるよりもむしろ、テクニカル面から市場の水準を分析し最近の動きの持続性を見極める構えだ。

  ミシュラー・フィナンシャル・グループのトレーダー、グレン・カペロ氏は「北朝鮮とシリアは我慢の限界を超えさせるものだったが、われわれは今、新たなレンジを設定した」と述べた。同氏は10年債利回りの取引レンジを2.3ー2.65%から約2.05-2.4%に修正した。トランプ大統領の財政政策課題の実施時期に関しては、債券相場の弱気派は「当面は何も分からない」と述べ、「今は経済指標のハードデータが上向きに転じる必要がある」と指摘した。

  JPモルガン・チェースのテクニカルアナリスト、ジェーソン・ハンター、アリックス・テッパー氏によると、米国債相場の上昇が続くには10年債利回りは2.15%を割り込む必要がある。そうなれば、1.88%まで低下する可能性もある。利回りが上向く場合は2.34%が抵抗線になるという。 

  テクニカル分析はさらなる相場上昇を支持しており、トランプノミクスによる債券安の50%戻しの水準である2.177%が目標とされるが、BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン、アーロン・コーリ両氏はこうした見方を受け入れていないという。

  両氏は14日付のリポートで、「われわれは債券相場についてもっと強気になりたいが、相場の動きの程度や短期のインプライドボラティリティーの上昇からみて、最も抵抗の少ない道筋は横ばいだと受け止めている」と記した。

原題:Bond Traders Finally Broke 2017’s Range. Now Comes the Hard Part(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE