17日の東京株式相場は5営業日ぶりに反発。北朝鮮を巡る過度な地政学リスクへの警戒が後退したほか、複数のテクニカル指標が売られ過ぎを示唆し、見直しの動きが優勢となった。電力や食料品、陸運などディフェンシブ業種、不動産や小売株など内需セクターが高い。

  ただし、為替の円高に対する懸念が根強いほか、米国経済統計の低調もあり、輸送用機器など輸出株、非鉄金属など素材株、銀行株は軟調。海外投資家を中心に積極的に取引する向きも少なく、東証1部の売買代金はことし最低を更新した。

  TOPIXの終値は前週末比6.62ポイント(0.5%)高の1465.69、日経平均株価は19円63銭(0.1%)高の1万8355円26銭。

  第一生命保険の岩渕康哉株式部長は、「不透明感が取り除かれれば、日本株は上昇とみている投資家は多い。世界的にファンダメンタルズは堅調。国内企業業績への期待も根強く、為替が現水準を維持できれば、今期2桁増益の見通しはまだ保てる」と指摘。地政学リスクはなお根強いものの、「それほどボラティリティは上がっていない。下落を想定して積極的にヘッジしていないということだ」と話した。

東証内
東証内
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  北朝鮮は16日、弾道ミサイルを発射したが、直後に爆発。ホワイトハウスの外交政策顧問は、大陸間弾道ミサイルではなく、中距離ミサイルだったと指摘した。米国には対北朝鮮政策で幅広い選択肢があるが、今回のミサイル発射に対し労力を費やす必要はない、と語っている。

  また、ペンス米副大統領は韓国と北朝鮮との軍事境界線に隣接する非武装地帯を訪れ、中国指導部が北朝鮮への特別の影響力を行使することを望むとし、そうした方向への初期兆候を心強く思ったと述べた。

  週明けの日本株は米国経済統計の低調、為替の円高推移を嫌気し、TOPIX、日経平均とも続落して始まったが、徐々に下げ渋る展開。午後は両指数ともプラス圏で推移する場面が増えた。北朝鮮情勢への過度な警戒感がいったん収まったほか、テクニカル指標からみた売られ過ぎ感も相場反転の一因だ。TOPIXは前週末にことし最長の4日続落となり、相対力指数(RSI)は29.3%と売られ過ぎの30%以下にあった。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオも昨年2月以来の低水準となる69%まで下がり、ブルームバーグ・データによると、TOPIXの予想PERは13倍台まで低下している。

  野村証券投資情報部の山内正一郎エクイティ・マーケット・ストラテジストは、先週の日本株は「有事の可能性を織り込み大幅に下げており、割安感がある」としていた。

  ただし、株価指数の反発力も限定的。きょうのドル・円は一時1ドル=108円10銭台と前週末の日本株終値時点1ドル=108円86銭に対しドル安・円高方向に振れ、米長期金利も東京時間17日の時間外取引で低下し、市場参加者の間で先行き不安感は残った。14日発表の3月の米消費者物価指数(CPI)は前月比で1年ぶりに低下、3月の米小売売上高も2カ月連続で減少した。米財務省による半期に1度の外国為替報告書によると、前回同様、監視リストに日本を含む6カ国・地域が指定され、日本は「円の実質実効レートは過去20年間の平均より20%安い」と指摘された。

  不透明感の根強さを映し、きょうの東証1部売買代金はことし最低を更新。18日には日米経済対話の初会合を控えるほか、海外投資家も14日の米国株・債券市場がイースター(復活祭)の祝日休場だった影響で、日本株に対する動きは鈍かった。

  東証1部33業種は電気・ガス、不動産、その他製品、食料品、サービス、小売、陸運、医薬品など22業種が上昇。輸送用機器や非鉄金属、銀行、石油・石炭製品、鉄鋼、機械など11業種は下落。売買代金上位では新作ゲームが好調なグリーは大幅高。任天堂や三井不動産、ペプチドリーム、DOWAホールディングスも上げ、業績計画を上方修正したローツェは急騰。半面、ソフトバンクグループやSUMCO、ミネベアミツミ、石川製作所は安い。

  • 東証1部の売買高は14億5429万株、売買代金は1兆6337億円とことし最低だった2月21日の1兆6540億円を下回った
  • 上昇銘柄数は1395、下落は511

  

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