トルコで16日、大統領の権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、エルドアン大統領が勝利を宣言した。国民は地域紛争の中で安全の担保と景気浮揚を期待して、トルコ共和国建国以来最も抜本的な改憲を支持した。

  国営アナトリア通信によると、賛成51.3%、反対48.7%。野党は不正行為があったと非難し、欧州連合(EU)も不公平との認識を示した。憲法改正により、大統領は閣僚と司法の人事権のほか、国会の解散権も持ち、財政政策への影響力も大幅に増すことになる。ただその一方で、トルコ中央銀行の独立性を巡る投資家の懸念が深まる可能性がある。

  リスク分析を手掛ける英ベリスク・メープルクロフトのディレクター、アンソニー・スキナー氏はエルドアン大統領の勝利宣言前、国民投票の可決は「権威主義者が政治体制を乗っ取るのを防ぐように、リベラルないし、場合によってはハイブリッド型の民主主義が設計されているとの想定を崩すものだ」と指摘した。

  エルドアン大統領はイスタンブールの自宅で勝利宣言し、「諸外国や海外機関がこの国の決定を尊重することを望む」と語った。

  改憲案は中小市町村で強い支持を得た一方で、都市部では根強い反対を受けた。エルドアン大統領が創設した与党・公正発展党(AKP)が総選挙で負けたことがないイスタンブールでは反対が51%だった。

  野党第一党の共和人民党(CHP)は投票数の約37%の再集計を要求すると表明した。CHP副党首はアナトリア通信が投票結果を「操作」していると述べた。

  憲法改正によりエルドアン大統領は2029年まで権力掌握を続けることが可能になる。野党は新制度により、民主主義が通常依拠する権力分立が脅かされると懸念している。

  市場アナリストらは、憲法改正の承認により先行きが見通しやすくなり、海外から再び投資を若干呼び込めるのではないかと予想する。投票結果が伝えられる前の時点で、UBSはリラが向こう1カ月で恐らく2-3%上昇するとの見通しを示していた。

原題:Erdogan Wins Vote to Gain Sweeping Powers in Turkish Overhaul(抜粋)

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