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【日本株週間展望】軟調、地政学リスクと円高警戒-割安感は支え

  • 北朝鮮情勢が緊迫化、日米経済対話など控え資金は安全資産へ
  • 堅調なグローバル景気などで下値余地は限定的-損保J日興の狩野氏

4月3週(17-21日)の日本株は軟調な展開が続く見通し。トランプ米政権の政策が停滞する中、地政学リスクや政治イベントから為替の円高警戒は解けず、国内企業の業績見通しに慎重にならざるを得ない。堅調な世界経済のファンダメンタルズ、日本株の割安感は相場の支えにはなっても、足元の下降トレンドを反転させる力はなさそうだ。

  地政学リスクへの警戒が日本株の下押し圧力としてくすぶっている。AP通信は14日、北朝鮮は最高指導者が適切と判断したときに核実験を実施する、と外務次官の話を基に報道。米NBCニュースはこれに先立ち、北朝鮮が核実験を実施するとの確証を得た場合に米国は先制攻撃の準備する、と複数の米政府高官の話として伝えた。朝鮮半島やシリア情勢の緊迫化で投資資金は安全資産の米国債へ向かっており、これにつれて米長期金利が低下、為替市場では円高に振れやすい状況だ。

  18日から始まる日米経済対話も議論の展開次第では円高要因になり得る。貿易不公正の是正を優先課題に掲げる米国と、マクロ経済政策の連携などを進めたい日本との間で思惑のずれが見え隠れしている。23日に控えるフランス大統領選挙(第1回投票)では支持率上位の4人が混戦模様。急進左派メランション候補の台頭で不確実性が高まっており、リスク資産回避の動きが継続する可能性もある。

  日経平均株価の予想PERは15倍台と、バリュエーション面で割安感を指摘する声が聞かれるものの、本格化する3月期決算発表を前に積極的な買いは見込み難い。ただ、米経済指標の堅調さは市場に安心感を与えそうだ。18日発表される3月の鉱工業生産指数のエコノミスト予想中央値は前月比0.5%上昇と、2カ月連続のプラスが見込まれている。このほか17日発表の中国の2017年1-3月国内総生産(GDP)などでグローバル景気の堅調さがあらためて確認されれば、世界の景気敏感株とされる日本株の支えになる。第2週の日経平均株価は週間で1.8%安の1万8335円63銭と、5週連続で下落した。

<<市場関係者の見方>>
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「北朝鮮などの突発的リスクに対する警戒感がどうしてもくすぶり、上値は重い。トランプ米大統領のドル高けん制発言に新味はないが、低金利政策を支持する意向は目新しく、引き続き意識されそうだ。米国債利回りは明確に従来のレンジを下抜け、為替は円安に動きにくい。ただ、企業業績をみる上でドル・円相場は1ドル=108円が分水嶺、現状水準なら過度な懸念は不要だろう。日本株は来期ベースPERで割安感すら出ており、自律反発を狙った買いが入ってもおかしくない」

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネジャー
  「ファンダメンタルズやバリュエーシ面からすると、下値余地は狭まりつつある。1ドル=110円の水準なら企業業績にニュートラル、米国中心にグローバル景気の循環的な回復が続く中、日本企業の増益基調は崩れないだろう。日米経済対話などを控えて円高進行への不安などからPERが切り下がり、指数は特別な材料がなくても、戻りやすい水準になった。ただ、北朝鮮など地政学リスクは相場の重し。円高懸念が残り、企業の慎重な業績見通しも見込まれ、全体相場を押し上げる力は乏しい」

アセットマネジメントOneの武内邦信シニアフェロー
  「北朝鮮リスクを意識し、投資家は第2週に一方的にリスクを落としに行った。懸念されたイベントをいったん通過することになれば、薄商いの中で下値を崩された日本株は買い戻しが入りやすい。本格化する米企業決算に市場の目が行きやすい中、1-3月期は10%増益が予想され、決算はかく乱要因にはならない。米景気指標も悪い数字は出にくいだろう。米実体経済の良さを地政学リスクでかき消された後だけに、崩れた景気敏感株中心に買い戻されそうだ。日米経済対話は単なるセレモニー的な存在となろう」

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