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為替操作は「悪」、ただし自身が関与なら話は別-トランプ氏の世界観

  • ドルは強過ぎとのWSJ紙への発言、口先介入と受け止めらている
  • 中国やドイツを為替操作で批判してきた大統領、信頼損ねるリスクも

トランプ米大統領の世界観では、為替操作は「悪」とされる。ただし、それには例外がある。自身が操作に関与する場合だ。

  トランプ大統領は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)との12日のインタビューで、ドルは「強くなり過ぎている」と指摘。米財務省による為替報告書の公表を間近に控えていることもおかまいないしの発言に、外国為替市場ではドルが売られた。

  この発言は「口先介入」と広く受け止められている。トランプ氏自身と米政府当局者がかねて痛烈に批判してきた為替操作国のグループに米国を加えるのにも等しい行為だ。同氏はインタビューで、中国を為替操作国に認定するとした公約からも後退した。

トランプ氏の「口先介入」

  ウエストパック銀行の為替ストラテジスト、ショーン・キャロー氏(シドニー在勤)は、「トランプ氏が通貨について語ることが操作に当たると見なしていないのは明らかだ」と話した。

効果持続見込まれず

  自国通貨押し下げの口先介入の効果は通常長続きしないことが過去の事例で示されているが、ドル相場について直接コメントするというトランプ氏の判断は結局、同氏自身の信頼を損ねる可能性がある。それというのも、トランプ氏は中国やドイツについて、米国に対する貿易面の不公正な優位を確保しようと通貨安誘導を行っていると繰り返し非難してきたからだ。

  メルク・インベストメンツ(サンフランシスコ)のアクセル・メルク社長は「トランプ氏はもちろん、自身の信認を危険にさらしているが、気にしていないようだ」と述べ、「口先で為替相場を動かせれば最も安上がりで、トランプ氏もそのような行動に駆り立てられたのではないか」との見方を示した。

  ナショナルオーストラリア銀行(NAB)の通貨戦略グローバル共同責任者、レイ・アトリル氏に言わせれば、世界的な金融危機以降、連邦準備制度の量的緩和策がドル相場を左右してきた米国こそが「世界最大の為替操作国」だ。

  しかし、それでもトランプ氏がこの闘いに勝利することを意味するわけではない。

  「税制改革を中心とした政策課題の遂行でトランプ氏が成功を収めれば、その結果、ドル高が進むことになる」とアトリル氏は語り、「レトリックではなくハードな政策が最終的に通貨動向を決める」と論じた。
  
原題:Trump’s Currency Rulebook Gives His Own Jawboning a Pass (1)(抜粋)

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