東芝は子会社1社が持つ資金へのアクセスを失った。これを前に、香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントが裁判所に申し立てを行っていた。

  連結子会社の東芝プラントシステムは東芝への預入資金を3月末までに全額解約し、返済を受けたことがブルームバーグが14日入手した裁判所文書で明らかになった。同資金は昨年12月末時点で878億円。オアシスは3月9日、東芝プラの取締役に対し同社から東芝への金銭預け入れおよび貸し付けの全面差し止めを求める仮処分申し立てを横浜地裁で行っていた。

  米原発子会社の巨額損失で債務超過となり、メモリー事業を売却しようとしている東芝にはさらなる打撃だ。同社株は上場廃止の恐れがある監理銘柄に指定され、監査法人は継続企業の前提に重要な不確実性が認められると指摘している。

  日本企業に全ての株主の権利を尊重するよう促してきたオアシスの最高投資責任者(CIO)、セス・フィッシャー氏は「われわれ、そして少数株主にとっての勝利だ」と電話インタビューで発言。「預金は銀行でできる。親会社に置く必要はない。東芝のケースでは、経営破綻リスクが明白にあり、内部管理上の大きな問題がある。このリスクに対し、東芝プラは十分な支払いを受けていない」と付け加えた。

  東芝プラの広報担当、田村昌之氏は決算発表前のサイレント期間なのでコメントできないと電話で話した。東芝の広報担当の味岡源大氏は、グループ内での資金融通に関してはコメントを控えると電話で述べた。

  オアシスは東芝プラ株4%を保有し、52%を持つ東芝に次ぐ大株主。オアシスは昨年、東芝プラに対し、余剰資金は大半を東芝に預けるのではなく、新規投資か株主還元に回すべきだと主張していた。

  東芝プラ株は14日午後に一時7.8%高の1687円と、2015年7月24日以来の日中上昇率となった。岡三証券投資戦略部の小川佳紀ストラテジストは「危機的な状況にある親会社から資金が戻り、安心感が出ているのではないか」と指摘。また、「ヘッジファンドの求めに応じた形であるならば900億円近くの資金が自社株買いなどに回る可能性がある」との期待も浮上したとの見方を示した。

原題:Toshiba Loses Access to Unit’s Cash After Hedge Fund Oasis Sues(抜粋)

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