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債券上昇、地政学リスクで金利低下圧力-超長期オペ減額困難との見方

更新日時
  • 複合要因で債券に強気の見方が増えている-損保ジャパン日本興亜
  • 先物は18銭高の151円09銭で終了、長期金利0.015%に低下

債券相場は上昇。中東や北朝鮮の軍事的な緊張を巡る地政学的リスクの高まりを背景に、安全資産の国債が買われる流れが続いた。日本銀行がこの日実施した長期国債買い入れオペの金額を前回から据え置いたことも買い安心感につながった。
  
  14日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比12銭高の151円03銭で開始。その後150円86銭まで軟化したが、午前10時10分の日銀オペ通知後に持ち直した。取引終盤には一段高となり、結局18銭高の151円09銭と、この日の高値で引けた。

先物中心限月の推移

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「地政学的リスクの高まりを背景とした世界的なリスクオフの一環として、日本国債にも利回り低下圧力がかかっている」と説明した。国債買いオペについては、「減額を今どんどん進めると相当な円高圧力がかかる恐れがある。日銀としてはイールドカーブは緩やかなスティープ化が望ましいだろうが、現段階での超長期ゾーン減額は、とてもではないが無理」だと述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.02%で開始。いったんは1ベーシスポイント(bp)高い0.03%まで売られたが、次第に買いが入り、午後は0.015%に下げた。

  超長期債は堅調。新発20年物の160回債利回りは2bp低い0.56%、新発30年物の54回債利回りは3bp低い0.76%と1月以来の水準まで買われた。40年物の9回債利回りは0.97%と、新発債として2月以来の水準まで下げた。

  損害保険ジャパン日本興亜の石崎竜也グループリーダーは、キャリーが取れないものには手を出しにくく、超長期についてはリスクオフが強まらない限り、金利の低下余地は限定的としながらも、「米経済政策が進まない中で地政学的リスクも重なり、複合要因で足元はやや債券に強気の見方が増えている」と述べた。

日銀買いオペ

  日銀はこの日、今月5回目の長期国債買い入れオペを実施。残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、10年超25年以下、25年超が対象で、いずれも前回と同額だった。オペ結果では1年超3年以下の応札倍率が4.6倍に上昇し、売り圧力が示されたことから、新発2年物375回債利回りはマイナス0.22%に小幅上昇した。

日銀国債買い入れ結果はこちらをご覧下さい。
  
  13日の米国株式相場は3日続落。S&P500種株価指数は前日比0.7%安の2328.95で終了した。米国が強力な爆弾をアフガニスタンで使用したと伝わり、地政学的リスクが警戒された。一方、米債相場はもみ合い。米10年国債利回りはほぼ変わらずの2.24%程度。売りが先行していたが、次第に買い戻された。

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ペンス米副大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は最高指導者が適切と判断すれば同国がいつでも核実験を実施するだろうと述べたとAP通信が伝えた。同次官とのインタビューを引用している。  

  これに対して、トランプ米政権は北朝鮮が弾道ミサイル試射ないし核実験に踏み切った場合に備え、経済制裁と軍事的選択肢を検討している、と複数の米当局者が13日、明らかにした。ペンス米副大統領は今週末からの10日間のアジア歴訪の一環として、韓国と日本を訪れた際、北朝鮮の挑発への米国の対応を協議する。

  JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「来週も地政学的リスクの動向が引き続き、目先の大きな注目点だ。資金の逃避先として円が買われやすい。加えて5年債と20年債の入札をにらみながらの展開になる。日本国債の利回りはこれまで結構下がってきたので、さらに大幅な低下は見込んでいないが、若干の金利低下バイアスはかかるだろう」と言う。

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