企業にとって最悪の宣伝効果という点で、けがをさせられ血を流す乗客がわめきながら米ユナイテッド航空機からひきずり降ろされるシーンを超えるのはかなり難しい。

  この事件はオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)の2度の謝罪を含め、何日にもわたってケーブルテレビとソーシャルメディアをにぎわせた。だが、企業が自社を害するような大失態を演じたのはこれが最初のケースというわけではない。ムニョスCEOに幾分の慰めとなるように、これまでにあった悪夢のような企業イメージ失墜例を幾つか挙げてみよう。

チーズのくしゃみ

  2009年、ドミノ・ピザの米ノースカロライナ州の従業員2人がユーチューブに動画を投稿した。1人がチーズを鼻の穴に突っ込み、くしゃみをするようにして、顧客のために作っているサンドイッチに向かってそのチーズを飛ばすというシーンだ。動画は延べ100万回視聴され、同社は問題の2人を解雇するばかりでなく、店舗を消毒しパトリック・ドイル社長による正式謝罪のビデオを作成する羽目になった。

汚物が逆流するデッキ

  カーニバルが運航するクルーズ客船「カーニバル・トライアンフ」で13年に火災が発生した。航行中に機関室から出火して機能がまひし、乗客3100人がメキシコ湾を漂流する事態となった。トイレなどの配管系統も正常に作動しなくなったため、汚物が乗客のいるデッキに逆流した。

タグボートに導かれて港に到着したカーニバル・トライアンフ 2013年2月
タグボートに導かれて港に到着したカーニバル・トライアンフ 2013年2月
Photographer: Jeff Gammons/Getty Images

  従業員が何とか船を帰港させようと奮闘している間、ミッキー・アリソンCEO(当時)は自身がオーナーを務める米プロバスケットボール協会(NBA)チーム、「マイアミ・ヒート」の試合を観戦していた。同氏はその4カ月後に辞任した。アリソン氏は今でも、父親が創業した同社の筆頭株主で、会長ではある。

タコスの近くにネズミか

  07年、ニューヨークのケンタッキーフライドチキン(KFC)とタコベルの店舗が入るビルで、ネズミのような小動物が走り回っている様子を報道取材のテレビカメラが捉えた。親会社ヤム・ブランズはその店を閉鎖。同店舗に固有の問題だとし、入居していたビルの建築構造が原因と説明した。しかし残りの店舗での同年1-3月(第1四半期)の売上高は全体で11%減少し、同社は最高マーケティング責任者(CMO)を更迭した。

バックシート・ドライバー

  ウーバー・テクノロジーズのトラビス・カラニックCEOが謝罪し、「大人になる」と誓う事態に追い込まれた。ブルームバーグは2月、ウーバーの運転手が運転する車の後部座席に乗った同CEOが、同社の料金政策を巡ってドライバーと口論になり、怒鳴りつける映像を公開した。同CEOは自身がコースを外れることのないよう、最高執行責任者(COO)を雇うと約束した。

嵐のバレンタイン

  07年のバレンタインデー。冬の嵐に見舞われ、ジェットブルー・エアウェイズの利用客13万人が立ち往生した。機内に閉じ込められたまま駐機場で10時間も待たされた乗客もいた。デービッド・ニールマンCEO(当時)は繰り返し謝罪したが、3カ月後に辞任した。

原題:PR Nightmares: United Fiasco Among Worst Corporate Gaffes (1)(抜粋)

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