最大級の債券運用会社が待っていた瞬間-ボラティリティー上昇
Brian Chappatta-
米当局のバランスシート縮小検討や地政学リスクなどで変動性高まる
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ブラックロックやJPモルガン・アセットなどが買いの好機と判断
金融市場のボラティリティー(変動性)が低調な時期を脱して上昇し始めた。
米金融当局によるバランスシート縮小検討や北朝鮮とシリアの地政学的な緊張の高まり、フランス大統領選で急進左派候補の支持率が浮上し、選挙情勢を変化させる可能性が出てきたことなどが原因だ。

リック・リーダー氏
世界最大級の債券運用会社の一部は、この瞬間を待っていた。ブラックロックのリック・リーダー氏やJPモルガン・アセット・マネジメントのボブ・マイケル氏らは、リフレトレードの持続可能性やそれが利回りに与える潜在的な影響をじっくりと考えるよりも、相場変動が向こう数日ないし数カ月、飛躍的に大きくなることに賭けている。その戦略は今週に入って既に実を結んでおり、CBOE/CBOT米10年国債ボラティリティー指数は2月以来の高水準となった。
JPモルガン・アセットでグローバル債券・通貨・商品の最高投資責任者(CIO)を務めるマイケル氏は、「私はボラティリティーを買う。米金融当局がバランスシートの規模縮小開始に向かい」、ドイツ総選挙後には「欧州中央銀行(ECB)も同様の措置を講じる時期にようやく入りつつあるからだ」と述べた。同社の運用資産は約1兆7000億ドル(約185兆円)に上る。同氏は「債券市場の最大のゆがみは中銀のバランスシートだ」と指摘した。

ボブ・マイケル氏
ブラックロックのグローバル債券CIOで、「ブラックロック・ストラテジック・インカム・オポチュニティーズ・ポートフォリオ」ファンド(運用資産278億ドル)の共同運用者であるリーダー氏は、ボラティリティーをショートでなくロングにすると話している。
仏大統領選では、反ユーロを掲げる国民戦線(FN)のルペン党首に依然勝利の可能性があるほか、左翼党のジャンリュック・メランション氏が4人目の有力候補として浮上している。

原題:Volatility Buying Back in Vogue for BlackRock, JPMorgan Funds(抜粋)