長期金利が一時5カ月ぶり低水準、米大統領発言と地政学リスクで

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  • 30年債入札、懸念あったがしっかりした結果で安心感-メリル日本証
  • 新発10年債利回り0.005%まで低下、先物は一時151円15銭まで上昇

債券相場は続伸し、長期金利は一時5カ月ぶりの水準に沈んだ。トランプ米大統領の発言を受けた米債高の流れを引き継いだことに加えて、北朝鮮をめぐる地政学的リスクを背景に買い圧力が強まった。半面、午後の取引終盤にかけて高値警戒感などから売りが優勢となり、相場は伸び悩んだ。

  13日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の346回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)低下の0.01%で取引を開始。一時は0.005%と、新発債として昨年11月17日以来の水準まで切り下げた。その後は0.025%に戻して推移している。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「北朝鮮をめぐる地政学的リスクはなかなか終息せず、長引きそうだ」と指摘。30年債入札については、「地政学的リスクを受けた金利急低下の中で、どれだけ需要が集まるか懸念があったが、テールも流れることなく、しっかりした結果だった」とし、「安心感が広がった」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比10銭高の151円00銭で寄り付き、一時は151円15銭と、中心限月としては昨年11月以来の高値を付けた。引けにかけて伸び悩み、結局1銭高の150円91銭で取引を終えた。

30年債入札

  財務省がこの日に実施した30年利付国債の入札結果は、最低落札価格が100円05銭と、市場予想99円90銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.08倍と前回3.14倍からやや低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は7銭と、前回の19銭から縮小した。

  30年物の54回債利回りは一時4bp低い0.77%と、新発債として1月19日以来の水準まで買われた。20年物の160回債利回りは3.5bp低下の0.55%と、新発債で昨年12月以来の低水準を付ける場面もあった。

  しんきん証券債券営業部の高井行夫金融市場アナリストは、「生命保険会社の動意が鈍いという話は出ているが、平準的な買いは続いている」と指摘。「20年に対する割安感でカーブのプレーが少し出た感もある」と言う。

30年債入札結果はこちらをご覧下さい。

トランプ米大統領発言

トランプ米大統領

Photographer: Olivier Douliery/Pool via Bloomberg

  12日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比6bp低下の2.24%程度となった。トランプ大統領が米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、低金利政策を支持したほか、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再指名に関して可能性を残したことが手掛かりとなった。アジア時間では2.21%台まで低下後、2.24%台に戻している。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「トランプ大統領の発言を受けて、イエレン議長のもとでハト派的な金融政策が続くとの見方が強まった」と指摘。「北朝鮮をめぐる地政学リスクも悪化こそしていないが、依然として警戒は解けない」としている。

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