日本株連日の安値、米大統領のドル高けん制と極東有事-資源中心売り

更新日時
  • 為替は一時1ドル=108円70銭台、今期の業績期待揺らぐ
  • オプションSQ前の需給要因も影響、テクニカルでは底値接近の声

13日の東京株式相場は3日続落。トランプ米大統領のドル高けん制発言や朝鮮半島有事への警戒で為替が5カ月ぶりのドル安・円高水準に振れ、企業業績への懸念から電機など輸出株、鉄鋼など素材株、銀行など金融株中心に売られた。商品市況の下落を材料に、石油や商社など資源株は業種別下落率で上位。

  TOPIXの終値は前日比11.23ポイント(0.8%)安の1468.31、日経平均株価は125円77銭(0.7%)安の1万8426円84銭。両指数とも連日で年初来安値を更新。

  ちばぎんアセットマネジメントの加藤幸祐運用部長は、「地政学リスクで市場センチメントが悪く、日米経済対話も控える中でのトランプ米大統領発言というタイミングがさらなる円高を招いた」と指摘。為替が1ドル=105ー110円のレンジに移行すれば、「今期業績の最終的な着地に対する業績上方修正期待が完全に消えかねない」と懸念を示した。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領は12日の米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、「ドルは強くなり過ぎている。ドルが強く、他国が自国通貨を切り下げている状況で競争するのは極めて難しい」と語った。また、低金利政策が望ましい、との認識も示した。

  一方、米ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮分析ウェブサイト「38ノース」は、北朝鮮の核実験場は準備しているようだと分析した。北朝鮮は15日、金日成国家主席の生誕105周年となる。

  ドル高けん制発言に北朝鮮情勢への警戒が加わり、きょうのドル・円は一時1ドル=108円70銭台と、5カ月ぶりに109円台を割り込むドル安・円高が進んだ。12日の海外市場では、トランプ大統領発言に反応しドルが急落、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ2.24%と一段と低下した。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、ファンダメンタルズの裏付けのない政治的発言の影響力は長続きしないが、「米大統領は世界で最も政治的な力を持っており、いざとなれば政策にも口出しできる」と言う。地政学リスクで為替が円高に振れやすい中、トランプ大統領の発言を受け、「FRBの政策に意を唱えるところまで市場の連想ゲームが働いた」とみていた。

  石油や鉱業、商社、非鉄金属など資源セクターが業種別下落率の上位を占有。12日の国際商品市況は、ニューヨーク原油先物が0.5%安の1バレル=53.11ドルと反落。政府統計で米国の石油生産が約1年ぶりの高水準を示したことを受けた。ロンドン金属取引所(LME)の銅やニッケルも安く、市況安を嫌気する売りに押された。

  もっとも、きょうの日経平均は昨年11月9日安値から3月2日高値までの上げ幅の38.2%押しに当たる1万8310円を午前に割り込んだ後、取引終了にかけては下げ渋った。あす14日は株価指数オプション4月限の特別清算値(SQ)算出日で、「きょうはオプションSQの最終売買日。コールオプションを買った向きがリスク回避で手じまい売りを出しており、需給要因が下げを加速させた」と、岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは分析。SQに絡む投げ売りが出た上、チャート分析面ではフィボナッチの節目に到達し、「いったん地政学リスクは織り込んだ」ともみる。14日はグッドフライデーの祝日で米国の株式・債券市場が休場、欧州株も休場で、円高の勢いが鈍った局面では短期の買い戻しも入りやすかった。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、鉄鋼、鉱業、卸売、保険、銀行、非鉄、機械、電機など30業種が下落。電気・ガス、水産・農林、パルプ・紙の3業種は上昇。売買代金上位では、東芝や三井物産が安く、今期も収益性は低位にとどまるとメリルリンチ日本証券が指摘したイオンも売られた。石川製作所など防衛関連銘柄は急反落。半面、ペプチドリームや関西電力、ニプロは高く、最新ゲーム「アナザーエデン」の出足好調のグリーは急伸した。

  • 東証1部の売買高は19億5868万株、売買代金は2兆2590億円
  • 値上がり銘柄数は543、値下がりは1374

    日経平均とドル・円相場の推移


    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE